神蛇滝
 
尾白川渓谷尾白川渓谷市営駐車場→駒ヶ岳神社→千ヶ淵→旭滝→百合ヶ淵→神蛇滝→不動滝→尾根道→駒ヶ岳神社→駐車場
年月日2006年8月27日
地域南アルプス(山梨県北杜市)
約1100m
天気

曇りのち雨

ひとこと「南アルプスの天然水」の地
難所の多い渓谷道と美しい渓谷
温泉甲斐駒ケ岳温泉「尾白の湯」
 

 

  ▲千ヶ淵〜旭滝▼
  


吊橋(澄んだ尾白川の水)


千ヶ淵(鉄の階段)


名前のない滝

 

昨夜からかなり激しく降っていた雨は今朝になって止んだが、垂れ込めた雲は鉛のように重い。遠くの山々は雲の中。甲斐駒ケ岳はもちろんのこと、それを眺めるために今日登ろうと思っている日向山すら見えない。

日向山に登っても展望が期待できそうにないので思い切って中止。代わりに道の駅「はくしゅう」で教えてもらった尾白川渓谷ハイキングコースを歩くことに決定。 道の駅で不動滝までの簡単な地図をもらった時点では、このハイキングコースを簡単なお散歩コースと考えていた。

気が緩んだまま、ずるずるとコースに従って歩き始める(10:35)。駒ケ岳神社を通り過ぎると、いきなり吊り橋(写真左上)を渡る。この橋の下に流れる川が尾白川(写真左上マウスオーバー)で、コースは、この川に沿って上流へと尾白川渓谷道を登って行く。川の水は、曇り空のためかエメラルドグリーンというよりは、木々の茶色と緑色が混ざった色をそのまま映し出したヒスイ色をしていることからも、名水百選に選ばれている美しい水であることがわかる。

千ヶ淵(写真左中央)まではすぐ(10:56)。このあとに続く道は、以前土砂崩れで通行止めだった区間のようで、新しく設置された鉄の急な階段などが目立つ(写真中央マウスオーバー)。また昨晩かなり雨が降ったので道は滑りやすくなっている。右側に木々の合間からときどき見える尾白川の渓流を楽しみつつも、足元には十分気をつけて登っていく。緩んでいた気が一気に引き締まった。

道が二俣に分かれていて指標がないところもあり、かなり歩いてから行き止まりとわかり引き返す場面もあった。おそらく土砂崩れにより渓谷道が変更されたためだろう。

そのうち名前のない滝が現れた。高さはないが途中で二手に分かれて水が豪快に落ちており迫力満点。すぐ隣の大きな岩には、スズメバチかなにかが大きな巣を2つもつくっていた(写真左下)。このすぐ上流にも滝があった(写真左下マウスオーバー)。かなり歩いたから、これが旭滝かな?いや、もうそれも過ぎているかもと思っていた...。

   
   
 お花たち(薄暗いのでぶれています)

タマアジサイ(つぼみは丸い球状)

ミズヒキ(???)ヤマホトトギス(コウヤボウキ)
   

 

▲旭滝〜百合ヶ淵〜神蛇滝▼  
  

よくわからないままさらに登ること10分。旭滝の看板が現れた(写真右上)(11:43)。ええ?これだけ(千ヶ淵から約50分)歩いて、まだ旭滝?道の駅でもらった簡単な地図には千ヶ淵から旭滝まで30分とある(その後土砂崩れにより道が変更されたためか)。時間的にはもうすぐ神蛇滝かなと思っていたのでかなりがっかり。旭滝は岩の向こうに隠れていてほとんど見えなかった。

さらに少し登って現れた指標には、最終目的地の不動滝まで70分と書かれてある(写真右上マウスオーバー)。ええっ!まだ1時間以上もかかるの?頭の片隅にチキンが現れた。渓谷歩きモードに設定していた心構えでは対処しきれなくなったようだ。チキンを追いやって急遽、登山モードに切り替えた。この渓谷道はなかなか手ごわい。

さらに登ること20分で、百合ヶ淵(写真右中央)(12:02)。一輪の山百合が沈んでできたというこの淵を、柵もなく一本の紐が張られている巨岩の間から覗き込む。このあとはいったん渓谷から離れて、階段代わりの木の根っこや鉄ハシゴなど足場の悪い急所を慎重に登っていくと、今回のクライマックスともいえる神蛇滝(写真一番上と右下)に到着(12:16)。

この3段になったすばらしい神蛇滝を見る一等席が、こちら側から幅70〜80cmぐらい離れた場所にある狭い岩の上。岩の間は深い谷間だ。向こう側の岩に渡るには丸太4本でできた、いかにも滑りそうな橋を渡る。右側に岩があり、つかめそうな木の枝が出ているので、それを頼りに慎重に渡る。

しかも渡った向こう側の岩の幅も狭くて70cmぐらい。すぐ前は谷間。つまり、この狭い岩の前も後ろも谷間ということ。高所恐怖症ではないけれど、やっぱり怖い!美しいものを見るにはそれなりに危険が伴うということだろうか。落ち着かないのでさっさと写真を撮ってこちら側に戻った。竜神平と呼ばれるこの場所は少し開けているのでお昼休憩をしている人が何人かいた。

 
岩に隠れて見えない旭滝


百合ヶ淵


神蛇滝
   
   
渓谷道から見える尾白川階段代わりの木の根っこ木の根っこと鉄ハシゴ

 

 

▲神蛇滝〜不動滝〜尾根下山道▼
  


不動滝


暗い尾根道(滑った岩)

 この後すぐ尾根下山道との分岐を左に見ながら、最終目的地である不動滝へと歩いていく。これまでに比べると道は緩やかなのでさくさく進む。ところが、平坦な道の平らな花崗岩の石の上でつるりと滑ってすってんころりん!自分の重い体を、足から順番に体全体で受け止めたのでけがはなく、すぐに立ち上がって歩きを再開。やっぱり、難所よりもこういう簡単な道でころぶものなんだ。道が緩やかになって少し気が緩んでいたのかもしれない。

やっと、下方にこの渓谷で最大の不動滝が見えてきた(12:55)(写真左上)。そしてその右手には吊り橋。吊り橋まで降りて、近くで豪快な滝を見たら、降りた分だけ道を登り、お昼が食べれそうな川原に下りていく。そこには我々のずっと先を歩いていた女性4人組がすでに休んでいた。細かく砕かれた白い花崗岩の上を流れる清流を見ながらお昼を食べ、少し休憩したら下山開始(13:20)。

途中、往路で滑った岩を見つけて写真を撮る(写真左下マウスオーバー)。少し苔むしているのが滑った原因か...。

神蛇滝近くまで戻ると(13:50)、今度は尾根下山道のほうから下山。登ってきた道と同じ渓谷道を下るのは想像するだけでも怖くてぞっとする。尾根道は比較的歩きやすく難所もなく、さくさく降りていった。もともと薄暗かった林の中はどんどん暗くなってきて、雨の音が聞こえてきた。とはいっても林の中なのであまり雨の影響がなくカッパを着ないまま出発地点で渡った吊り橋まで戻ってきた(14:30)。この後、傘をさしてゆっくり歩いて駐車場に到着。