金剛山(右)と峯(左)(雪のある直登)
 
金剛山・宝山藤野駅周辺第一駐車場→登山口→金剛山→峯→杉峠→日連山→宝山→下山口→駐車場
年月日2008年2月2日
地域神奈川県藤野市
410m (金剛山)、宝山(374m)
天気曇り(時々陽射しあり)
ひとこと楽しい冬枯れの山ハイキング、虫こぶ発見
温泉ふじの温泉『東尾垂の湯』
 

 

日連大橋の手前から見た右側の双耳峰(金剛山と峯)から左方向の日連山と宝山へのミニ縦走
   
  ▲登山口〜金剛山▼
  


相模川と白い橋と扇山(登山口)


直登(振り返ると藤野の町並み)


金剛山頂上(裸の木々の間から町並み)

 

冬は里山!冬枯れの山の陽だまりハイキングは最高。1月は子年にちなんだ子ノ権現ハイキングなら、2月はめでたい名前の金剛山と宝山を含む里山のミニ縦走に決定。実は、先月と今月の山は『山と渓谷』の「全国の隠れ名山」に載っている。

藤野駅のそばの藤野駅周辺第一駐車場に駐車して出発(11:20)。甲州街道を左に歩き、右に下りていくと、相模川にかかった水色の橋(日連大橋)があり、その向こうには今日縦走する金剛山や宝山などの山並みが見える(写真上パノラマ)。右に目を向けると白い橋があり、その向こうには扇山が見える(写真左上)。

あれっ、山の中腹にラブレターが。まだバレンタインデーには少し早いし...。でも近くの家と同じ大きさ!実は藤野には「芸術の道」があり、そのおよそ30箇所に野外彫刻や作品が展示されている。このラブレターもそのひとつ。橋の近くにも石で創られた芸術作品が置かれていた(写真下)。創作活動に最適の自然環境をもつ相模原市藤野町には、多くの芸術家たちが在住しているのだそうだ。

水色の橋を渡って、街中の狭い車道をまっすぐ行くと山に突き当たるが山肌に沿って右に少し歩くと左手に赤い鳥居(写真左上マウスオーバー)がある(11:45)。ここが登山口。鳥居をくぐるともうそこは自然100%。道にニセアカシア(ハリエンジュ)の実のようなさやが落ちている(写真下)。

小さな沢を渡って杉林の中を上り始める。この山には丁目石が置かれていて、拾八丁目で頂上となる。一丁目から4丁目までは見逃したようだが、上り始めて五丁目の石を発見(11:50)(写真下)。それ以降、つづら折りを繰り返すたびに丁目の数字が増えていく。

登山道にはどんぐりがばらまかれたかのようにたくさん落ちている。殻が割れ、芽が出てきて根付こうとしている(写真下)。ジグザグの道を少しずつ標高を上げていくと、裸の木々の合間から町が見下ろせる(写真左下マウスオーバー)。広葉樹の森の冬は明るくていい。

拾四丁目(12:08)を超えると直登の斜面が見えてきた。雪も少し積もっている(写真左中央)。ゆっくり上りながら後ろを振り返ると、ここには木がないので藤野の町がよく見下ろせる(写真左中央マウスオーバー)。実は町からもこの場所は見える(写真一番上マウスオーバー)。上りきると金剛山の頂上に到着(12:20)(写真左下)。標高がなぜか410mから419.8mに書き換えられていた。

   
   
巨大ラブレター(芸術作品)五丁目石(ニセアカシアの実?)どんぐり

 

▲金剛山〜峯〜杉峠▼  
  

金剛山の頂上は広場になっているが、針葉樹などに囲まれていて展望がよくないので、次の目的地に向かう。この山を下って上り返し、落ち葉が気持ちいい道を歩き、二分した道(写真右上)を左方向に進むとすぐにの山頂 (423m) (12:38) 。ここは出発時に橋から見た二つのこぶのもう一方のてっぺん。

裸の木々の合間に藤野の町と山々が見える(写真右中央)。富士山はというと、曇りで全く見えないが、もともと頭がほんの少ししか見えない場所なのであまり残念ではない。分岐まで戻り、左へ進む。

里山歩きは楽なので、自然と周囲に目がいく。特に冬枯れの木々の間を歩いていると、普段は葉っぱで見えなかった木の樹皮や枝がよく観察できておもしろい。木々に巻きついているツタを見ても、いろんな巻きつき方があり、まるで芸術作品のよう(写真下)。

枝に土の塊のようなものがたくさんついている木々をよく見かける(写真下)。誰かがあんな高い枝の上まで登って土団子をつけたのかしら。これは一体何なの!?とても不思議...。頭の中が???だらけのまま家に帰ってネットで調べると、虫こぶかな?いや、どうやら「菌えいという細菌やウイルスに起因する一種の癌」らしい。こんなにたくさんの木が癌になってるなんて...。これからどうなっていくのか心配だ。

誰かに見つめられているような気がして振り向くと緑色の玉がこちらを見ている(写真下)。これこそが虫こぶ(虫えい)。イヌツゲの葉の根元に黄緑色の小さなこぶができており、そのこぶが人面のように見える。これは、「イヌツゲタマバエ」によって葉腋の芽に形成される虫こぶだそうだ。

「虫こぶ(虫えい)は、ダニ、アブラムシ、タマバエの幼虫など、さまざまな虫が、植物に寄生することでできる部分を言う。多くはこぶ状になるため、虫こぶと呼ばれている。虫こぶは、寄生した虫が出す刺激に反応し、植物の一部が異常成長してできるものである」ということだ。この虫こぶとの出会いにより、これからの山歩きには虫こぶ探しも加わることになる。

そうこうしていると周囲が急に開け、新和田集落の近くを通り(12:50)、また林の中に入っていく。植林地帯を通り過ぎ、再び明るい冬枯れの林の中を歩くと杉峠(写真右下マウスオーバー)に到着(13:00)(写真右下マウスオーバー)。指標に従って宝ノ峰(宝山)方向に歩いていく。

 
峯にはここを左(登山道)


峯山頂(植林地帯)


新和田集落(杉峠)
   
 木と虫 - 虫こぶ(虫えい) 
菌えい(?)

菌えい(?)

虫こぶに見つめられているよう......
   
 木と植物 - ツタとキノコ 
ツタツタキノコ(ツタとキノコ)
   
 木と木 
苦しそうな木一体化した木右上の方までのびて巻きつけている

 

 

▲日連山〜宝山〜下山口▼
  


展望(ふかふか)


日連山山頂


宝山(急坂)

 

途中で展望が開け、藤野の町が見下ろせる(写真左上)。この方向には赤い橋(中央道の高架橋)と黄色い橋が見える(13:07)。ということは、これで藤野には赤、黄色、水色、白の橋が架かっていることになる。芸術の道といい、橋の色といい、いろんな工夫が見られる町だ。

とびっきりふっかふかの落ち葉のじゅうたん(写真左上マウスオーバー)を通る。これもまた冬の里山ハイクの醍醐味のひとつだ。時折、日が差すとそれが黄金色に輝く。私にとっては、世界中のどんな宮殿に敷かれているじゅうたん(見たことないけど)よりも価値あるじゅうたん!

しばらくして右側にある小高い広場に立つ(13:20)と、近くのふわふわした冬枯れの山から大室山、遠くは丹沢までのすばらしい景色が楽しめる(写真下パノラマ)。ひょっとしてここが日連山かなと思ったらまだだった。日連山には約5分後に到着(13:28)(写真左中央)。小さな広場になっているこの山頂は木に囲まれているが、冬の季節は裸の木々の間から周囲の山々が透けて見える。

ここでお昼休憩。今日は他のハイカーに全く会わないと思っていたら、休憩中に中年の男性3人組に会った。それだけ。節分の一日前だが、南南東に向かって願い事をしながら恵方巻きを食べる。本当は「節分の夜にその年の恵方(歳徳神の在する方位)に向かって、目を閉じて願い事を思い浮かべながら太巻きをまるかぶりする」のだそうだが、どこまで願いが通じただろうか...。

ここから(13:55)一旦下り上り返すと宝山(14:05)(写真左下)。展望はないが、向こうに見える冬枯れの木々のふわふわ感がたまらない。そのまま東に進み、見れば見るほど興味が増す木々を観察しながら少しずつ標高を下げていく。

このコースで唯一少しだけスリルが味わえるロープのある急降下を下りたら(写真左下マウスオーバー)左に進む(14:20)。ここまで来ると、木々の隙間から町がすぐそこに見えてくる。ホオノキの葉っぱで覆われた道では思わず大きな2枚の葉っぱを頭の上において、はいポーズ。ロバに見えるかな(写真下マウスオーバー)。

しばらくして、突き当たった沢沿いを下ると集落に出た(14:40)。日連橋からは、山の上から見えた赤い高架橋と黄色い橋が再び見える。その先のY字を間違って左に進んだため往路の道に早く合流してしまったが、日連大橋を渡り、無事駐車場に戻ってきた(15:20)。

   
近くのふわふわ山と遠くに見える丹沢など
   
   
ホオノキの葉っぱ(朴葉を耳に) ウバユリの実(元気なアオキ)ひょうたん!?(『東尾垂の湯』)