キジョランの実

 

高尾山

清滝駅→高尾山駅→1号路→3号路→高尾山山頂→稲荷山コース→元来た道→清滝駅
年月日 2018年12月24日
地域 高尾
標高 599m
天気 晴れ
ひとこと キジョランの実、見いつけた!
 

 

歩いたコース  ▲清滝駅〜高尾山駅〜1号路〜3号路▼
  


3号路へ


キジョランのふわふわの種をここに集めてみた



キジョランの実



 

昨年探し回ったが見つからなかったキジョランの実。今年こそはと再びキジョランの実を探しに高尾山へ。この季節シモバシラも見られるが気温が高めなので恐らく見られないだろうし、ダイアモンド富士は夕方で、しかも山頂が年々渋谷状態になってきているので、今回はキジョランだけに集中する。

目的の場所はキジョランの葉っぱで森が占領されている3号路(写真左上)。それ以外に絶対外せないのがお気に入りの天狗焼きなので、必然的にロープウェイを使うことになる。

始発のロープウェイに乗って高尾山駅へ。天狗焼き屋さんがまだ閉まっている。10時開店とのこと。昔は9時から開いていたような気がしたが、思い込みだったかもしれない。1時間もここで待つことはできないので、とりあえず3号路に行き、10時になったらここに戻ってくることにする。

1号路を歩き、さる園・野草園を通り過ぎ、浄心門までやって来る。ここを左に曲がると3号路。3号路は普通の登山道で、しかもここを通る人は少ないので、じっくり自然観察ができる。昔たまたまこの道を通ってキジョランの葉っぱを見つけてからお気に入りの道だ。

歩き始めてすぐ、長い羽毛をつけた種が落ちているのを見つけた(写真左真ん中)。ここにもあそこにも。幸先がいい。指の第二関節ぐらいまでの長さの羽毛は種の中でもかなり長いのでは。その下にはこれまたかなり大きめの種がついている。

ここで10時が来たのでいったん天狗焼き屋さんまで戻り、天狗焼きを食べてからまた先ほどいたところあたりまで戻ってきたら、お父さんに連れられた小さな女の子があのふわふわの毛を見つけて喜んでいた。やはりこれほど長い毛はめずらしいのだろう。一瞬鳥の毛かと思うぐらい。ただ、それを飛ばしている実を一度見てみたいのだが、それがまだ見つからない。花数のわりに実は非常に少ないそうなので見つけるのは簡単ではないようだ。

小さな木橋を渡って少し進むと、振り返った山側の頭の少し上にあった!いっぱい蓄えた毛が太陽に当たってきらきらと輝いている。やっと見つけただけに神々しく見える。この実からはすでに一部種が飛び出ているようだ(写真左下)。

    ●印はクリックして拡大
絶対外せない天狗焼き 実物大(お日様に当たり輝く種) ●キジョランの葉っぱ
小さな木橋 ●キジョランの葉っぱ ミヤマシキミ

 

▲3号路〜5号路〜高尾山山頂▼   
  

そういえば今年の1月に三浦アルプスを歩いたときには、ふわふわの羽毛が全部飛び出した後の黒っぽい殻のようなものを見つけたことがある。今度はこうして種がつまったものを見つけられて非常にうれしい。

しかし、キジョランといえば、3号路などで、気が狂ったかのように他の木々をぐるぐるまきにしてどんどん広がっていき、やりたい放題森を荒らしているようにしかみえないツル植物(写真すぐ上)なのに、その数少ない大きな実からは絹のように美しい毛をつけた種が飛び出してくる。なんというギャップ!さらにその光沢のある大きな丸い葉っぱはアサギマダラの幼虫の食草となっているため、どんなに暴れても保護されている身なのだ。なんというラッキーな植物なのだろう。

今度は新しく作り変えられた(?)橋を渡った後、階段が多くなり、比較的平坦な道の3号路で数少ない上りの道を歩く。「かしき谷園」という標識のある広場を過ぎ、前に一度歩いた薬王院からの道と合流する。

その後、6号路と5号路との合流地点(写真右上)から5号路を通って高尾山のちょうどトイレのところに出てきた。そして山頂(12:20)(写真右下)。

山頂に着くとすぐにチェックするのはやはり富士山。今日はダイアモンド富士が見られる日だが、ダイアモンドショーは午後4時過ぎ。すでに三脚を立てて場所とりをしている人がいる。でも肝心の富士山は、そのほとんどが雲に隠れている(写真右下と下)。ただまだ4時間もあるのでどうなるかはわからない。

 


6号路と5号路との合流地点



山頂

     
アオキ ヤブツバキ カゴノキ
ここから階段が多くなる 合流付近の冬枯れの木々 雲に隠れている富士山

 

 

▲高尾山山頂〜稲荷山コース〜清滝駅▼

  


キジョラン(ぐるぐる)



杉の木を上っていくキジョラン




 

今日の目的はキジョランなので、山頂でお昼を食べたら、今度は稲荷山コースを下りる(12:50)。この道でも時々キジョランが木々に巻きついてカーテン状態になっている箇所が見られる。その都度、実がないかじっくり探す。

6号路への分岐近くにあったキジョランを見ていると、今度はまだ緑色をした実を発見。この実は割れて間もない感じで、そこからこの世に出たばかりのような美しい絹のような毛が出ている(写真一番上)。

白い毛を鬼女の白髪に見立てて,「鬼女蘭(キジョラン)」という名前がつけられたと言われるが、私にはこの毛は美しいものにしか見えない。それよりも容赦なく巻き付いていくあの葉っぱ(と茎)(写真左上)のほうが鬼女っぽい気がするのだが。。。

展望台までやってきた(13:45)。今日はスカイツリーまで見える(写真下パノラマ)。何層もある冬枯れの丘陵と、その向こうのコンクリートジャングルのコントラストがすごいといつも思う。

今回は3号路でも少しあったが、この道ではもっと大規模な倒木(根こそぎ倒れていたり倒れかかっている木々)が目立つ(写真下)。今年の台風の影響がいかに大きかったかを物語っている。

稲荷山コースもほぼ終わりかけたころ、キジョランによく似た羽毛のついた種を見つけた(写真下)。毛は一回り小さく、種は細長い。後で調べるとこれはテイカカズラの種。実は細長くて、その中に種を縦に並べてしまっているようだ。

いずれにせよ、意識を向けていないとこの種も全く気付かずに通り過ぎて行っただろう。キジョランの実から始まって、他にも同じような実や種を探すのが楽しみになってきた。14時半ごろ清滝駅まで戻ってきた。

     
イヌツゲの虫こぶ 倒木 テイカカズラの種

都心の展望:スカイツリーが見える