@常念岳
 
燕岳〜
大天井岳〜
常念岳
2日目:燕山荘→ 大下りの頭→切通岩→大天荘→大天井岳→常念荘 (休憩込みで7時間)
3日目:常念荘→常念岳→常念荘→一ノ沢登山補導所→タクシー乗場 (休憩込みで6時間20分)
年月日2006年9月5日〜6日
地域北アルプス
大天井岳(2922m)・常念岳(2857m)
天気晴れ(6日の下山時のみ雨)
ひとこと槍・穂高連峰のすばらしい展望
温泉しゃくなげ荘
 

 

燕山荘〜大天井岳〜東天井岳〜横通岳〜常念岳
 
   
  ▲燕山荘〜大天井岳▼
  


A槍ヶ岳と蛙岩(B稜線漫歩)

C切通岩(D大天井岳山腹を横切る道)

E大天井岳頂上(F大天荘)

 

2日目のこの日は燕山荘を後にして(7:25)、大天井岳経由で常念荘に向かう(写真上パノラマ)。青空に突き刺すようにくっきりと姿を現した槍ヶ岳を見ながらの稜線歩きはとっても快適(写真B)。ときおり、尾っぽが白いホシガラスがハイマツの上を飛び交っている。

しばらくすると蛙岩に到着(写真A)、といってもどこが蛙なのかわからない。山の東側の巻き道を歩くと槍ヶ岳は見えなくなるが、山の斜面一面がお花畑(写真下左マウスオーバー)で、さくさく歩きがここではゆっくり歩きになってしまう。(お花畑は前のページのお花畑ボタンをクリックしてください。)

大下りを下り、お花畑を再び通過。砂礫の斜面にはかわいいコマクサが顔を出している。あれ!?なんとこんな稜線に猿を数匹発見(写真下中央)!タクシーの運転手の話だが、猿は本来こんな山の上にいるはずはなく、温暖化のせいでこのような山の高いところに住み着いてしまったのではないかと...。ライチョウがいなくなるのでよくないようだ。

切通岩では鎖がかけられており、垂直のはしごを降りて、今度はちょっと壊れかけのはしごを上り、少しだけスリルを味わう(写真C)。この道はその昔、喜作という人がつくったらしく、顔のレリーフが鞍部の岩に埋め込まれている(写真下中央マウスオーバー)。

槍ヶ岳に行く道を右に分けたら、ずっと前から進行方向に見えていた、大天井岳の東側山腹を横切るように刻まれたガレ地の道を斜めに登りどんどん高度を上げていく(写真D)。ガスが出てきたうえに時折横なぐりの風が吹き、飛ばされそうになる(写真下右)。慎重に登りつめると、大天荘(写真F)に到着(10:45)。

ザックをその辺において、さくさくと大天井岳山頂(2922m)に登る。展望のいいはずの常念山脈の最高峰の頂上はガスで真っ白(写真E)。しょうがないので、さくさくと大天荘に戻り(11:00)、お昼に豚汁セットをいただく。ゆっくり休んだら そろそろ出発。入れ違いにあの老夫婦が大天荘に着いた。

   
   
大下りの頭(お花畑)お猿さん(喜作レリーフ)道を振り返る(山腹歩き)

 

▲大天井岳〜常念小屋▼  
  

大天井岳を後にして(11:30)、進行方向に見える常念岳に向かって歩き始める(写真G)。広々した砂礫の稜線のところどころに群生しているタデ(オヤマソバ?)の葉がもう紅葉を始めている。ゆるやかな白い砂礫の斜面にオレンジ色や黄色に紅葉したタデの葉にお日様がさすと「きれい!」(写真H)。

ガスがひくと、大天井岳ではガスの中に隠れていた山々が現れ、角度的にも穂高連峰がかなりよく見える場所まで来ていることがわかる。槍・穂高連峰のすばらしい展望(写真下パノラマ)を楽しみながらしばらく歩いたら、標識に従い左に曲がり、東天井岳の山腹のハイマツ帯を、ホシガラスになった気分で下りて行く。槍・穂にしばしお別れだ。道のいたるところにハイマツの実が落ちており、かじられたようなあとがある(写真下中央)。この辺まで猿が来ているのだろうか。それともホシガラスが食べているのか...。

もうひと登りあるかと思ったが、横通岳は山頂には登らず、斜面を歩く(写真K)。その後、ハイマツ帯の中をジグザグにどんどん下っていくが、どこに下りているかはガスのせいで全く見えない。下りきると、砂礫の乗越に着く。ガスで周囲が何も見えないまま(写真L)モーターの音を頼りに常念小屋に到着(14:30)。

このあと常念岳頂上に登ってくる時間はあったのだが、ガスで全く見えないのでやめることにした。内心少しほっとした。というのも、燕山荘からここまでの縦走が思ったより長かったので、この日はこれで終わりとしたかったからだ。

常念小屋の中には、「8月末にこまくさ、フシギです!」書かれた紙が貼られてあった(写真下マウスオーバー)。8月末どころか今はもう9月。それでもまだ咲いているのはますます不思議!また、皇太子が結婚前最後に常念岳登山時に泊まられた部屋が残されていた。

夕食時に例の老夫婦と席が隣り合わせになった。天気は下り坂で明日は曇りのち雨の予報。老夫婦は明日、初めの予定どおり蝶ガ岳まで行くか、それとも一ノ沢に下りるか迷っているようす。こちらは、明日も常念岳が雲に隠れていたら登らずに一ノ沢に下りようか、でもここまで来て登らないのはもったいない、と迷っていた。ただし、これまでの2日間はすばらしい天気に恵まれ、展望も楽しめたのですでに十分満足していたのは確かだった。

 
G常念岳へ(H葉紅葉)


I槍ヶ岳と葉紅葉(J青空に映える葉紅葉)


K横通岳(Lガスに覆われた横通岳)
   
葉紅葉ハイマツの実(コマクサ不思議の貼り紙)常念小屋 夕食(朝食)
 
槍・穂高連峰

 

 

▲常念岳〜常念小屋〜一ノ沢▼
  


M常念小屋N前常念への標識


O横通岳と常念小屋(P常念岳山頂)


Qガスの沢沿い歩き (Rはしご)

 

迷ったまま次の朝を迎えたら、なんと晴れていた。常念岳がくっきり見えている(写真@)。登らない理由がない。朝食でまた隣り合わせた老夫婦は、蝶ガ岳に行くことに決定したとのこと。朝食後、お水とカッパだけを入れた小ザックで身軽に出発(6:15)。

なだからかな砂礫の道を歩くと、すぐに前常念岳方向に行く標識が現れた(写真N)。その後ガレ地をジグザグに登るにつれて急登になっていく。そのうち大きなごつごつした岩になり、巨岩だらけの八合目手前をよじ登ると、ゆるやかな傾斜に出た。もうそろそろ頂上かと思っていたら頂上はさらに向こうにあった。

振り返ると昨日下りてきた横通岳と常念乗越、そして常念小屋が小さく見える(写真O)。最後にゴツゴツ岩をひと登りしたら、常念岳山頂に到着(写真P)。お天気が下り坂の前兆でいまひとつクッキリさに欠けるが、それでも槍・穂高連峰から安曇野まで見渡せる(写真下パノラマ)。

常念小屋に向かって下りていたら、蝶ガ岳に向かってまず常念岳を登っている、あの老夫婦にまた会った。大きくて重そうなザックを背負ってごつごつ岩を登っている姿を見ると、これからお天気が悪くなることもあり、大丈夫かなと心配になった。最後に無事を祈ってお別れした。

その後常念小屋に戻り(8:15)、一ノ沢への下山の準備。7月の大雨による土砂崩れで林道が通行止めになっているため、通常のタクシー乗り場である一ノ沢登山相談所(登山口)から、さらに一時間半も余分に歩いたところが現在のタクシー乗り場。電波の関係で帰りのタクシーの予約は常念小屋でやっておく。

一ノ沢をめざして下山開始(9:30)。第三、第二、第一ベンチと樹林帯の中を下りていった後、川を渡り沢沿いを歩く(写真Q)。ここからは斜面にお花畑が続き、今にも雨が落ちそうな暗い周囲を明るくしてくれた。が、 途中からとうとう雨が降ってきた。 次第にざあざあ雨となる。雨の中どんどん下っていき、やっと一ノ沢登山口に到着(12:35)。

さらにここから林道を歩く。しばらく歩くと、ミズナラの大木が林道のど真ん中に突っ立っている(写真下中央)。近づいてみると地すべりにより木が山の中腹から立ったまま林道まで滑り落ちてきたようだ。さらに雨の中林道を歩いていくと、土砂で道路が埋まっていた。その後さらにひどいことに道路がすぽっと陥没しているところもあった。かなりひどり被害のようだ。1時間あまりで雨の中の林道歩きが終わり(13:50)、予約していたタクシーに乗って駐車場に戻っていった。

常念岳からの展望 (スクロールしない場合はEdgeの設定から「Explorerで開く」をクリック)
   
お花畑地すべりで落ちてきた大木(反対側)道路陥没
   

Sみそぱん
 常念小屋で頼んだお弁当は、みそぱんと、ドライフルーツ、そして小さなペットボトルのスポーツドリンク。ちょっとばかにしていたこのみそぱんが意外といける。素朴な味がたまらなくて食べだしたら止まらない。帰りの道の駅でもみそぱんを見つけて買って帰った。

今回は3日目の最後の下山以外は、お天気に恵まれ展望もすばらしく、おまけに9月なのにコマクサにも会えて、本当にラッキーだった。