伊予ヶ岳(富山)
 
伊予ヶ岳
富山
@平群天神社→伊予ヶ岳南峰→平群天神社
A駐車場→福満寺→富山南峰→北峰→伏姫ノ籠窟→駐車場
年月日2010年3月21日
地域千葉県
336.6m(伊予ヶ岳)、349.5m(富山)
天気晴れ
ひとこと絶壁の伊予ヶ岳、南総里見八犬伝の富山
温泉岩婦温泉
 

 

  ▲伊予ヶ岳▼
  


テンナンショウ

ロープ場と鎖場

富士山(伊予ヶ岳の鋭い岩峰)

 

久しぶりに千葉県の山に行きたくなった。スイセンの季節は終わったが、晴れた日のぽかぽか日だまり低山歩きはたまらない。
以前から登ってみたかった伊予ヶ岳、でもそれだけだと短時間で終わってしまうので、南総里見八犬伝で有名な富山とコラボで歩くことに決定。

まずは伊予ヶ岳。平群天(へぐりてん)神社(写真下)の駐車場に駐車して神社の横の道を歩き始める(7:15)。間もなく梅の木々が現れ、これから登る伊予ヶ岳が進行方向に見える(写真一番上)。山頂の一方が崖のようになっており、ロープ場あり鎖場ありということで、低山だがばかにはできない。

林に入るとユニークな姿のテンナンショウがお目見え(写真左上)。ここはまるでテンナンショウストリート!?ていうぐらいずらりと並んでいる。

一度開けた場所に出てまた林に入る。緩やかな山道をしばらく歩き、木の根っこが地上に演出したすばらしいくねくねアートを通る(写真下)。すみれたちがやっと顔を現した。この小さくて可憐な花を見るとなんだか癒される。そのうち一旦展望が開けて、次に上る富山が見える。

「この先、急傾斜により大変危険です」という注意書きを見ながら階段を登っていくと、ロープがぶら下がった急傾斜にやってきた(8:10)。最初はロープなしでも歩けそうだったが、次から次へと現れるロープ場はかなり険しいところもあり、そのうち鎖も現れ、結構思っていたよりもスリルたっぷり(写真左中央)。

やっとたどり着いた(8:20)頂上は狭く、下から見たとおり絶壁になっていて(写真左下マウスオーバー)危ないのでフェンスが付けられている。が、さすが高い山のない千葉県、360度の展望はすばらしい(写真下パノラマ)。これから登る富山も見える。その少し右手には東京湾、そしてその向こうに富士山がうっすらと見える(写真左下)!3月なのに富士山が見られてうれしい。

360度の展望を楽しんだら下山(8:40)。また鎖とロープを頼りに下り、今度は富山に向かう(といっても車で)。

   
平群天神社(登山口)テンナンショウ木の根っこアート(これから危険ですよ指標)
 

 

▲富山▼ 富山ハイキングマップ
  

今度は富山中学校の近くの駐車場に車を駐めて(実際は伊予ヶ岳から歩いていくコースもある)、ようやく暖かくなってきた日差しを浴びながら車道を歩き始める(9:50)。この辺は1月ころならスイセン通りなのだろう。今は黄色い菜の花が通りを飾っている(写真下)。

福満寺(写真右上)入口を左に曲がり、このとてもこじんまりした素朴なお寺にお参りしてから歩き始める(10:10)。舗装道が隠れるぐらい落ち葉が残る道を一合目から三合と歩いていく。が、この山は常緑樹も多いようで枯れ山ではない。

スイセンの葉っぱの群落が現れた。2ヶ月前にはこの辺もスイセンが咲き乱れていたのだろう。三合目(10:40)以降どんどん歩いていっても次の指標がなかなか見つからない。かなり登ってやっと指標を発見したら、いきなり七合目と書いてある(写真下)。少し前の鞍部が五合目だったらしい。

さらに上っていくと大きな杉の木があり、左側の石段を上ると南峰(11:11)。富山の二箇所突出した部分の南側がここ。この広場には観音堂がぽつんと立っている(写真下)。展望はないので本当の山頂であるもう一方の突出部分、北峰に向かう。

「里見八犬士終焉の地」と書かれた場所にはあずまやが立ち(写真右中央)、桜の木々が数本ある(11:25)。つぼみがふくらんで来週ごろには満開になりそうだ。スイセンには遅く、桜には早すぎる中途半端の時期にやってきたようだ。でもアオキはあまり目立たないが小さな黒っぽい花を咲かせている。

北峰に着いた。整備された広場になっていて展望台(写真右下)もある。富山の本当の山頂は広場の手前を右に行ったところ(11:30)。広場のベンチに座って心地よいお日様の下でお昼を食べる。隣のベンチにはわんちゃんもいた。低山なのでわんちゃんも楽ちんだワン。

展望台に上がると360度まではいかないがここも展望がすばらしい(写真下パノラマ)。東京湾の向こうに見えるはずの富士山の姿はすでに雲の中に姿を消していた。大島方向には、うっすら大きな陸らしきものが見える。東京湾の手前には昔行った、ぎざぎざノコギリのような鋸山(写真右下)が見える。

陽だまりでゆっくりしたら下山(12:00)。元来た道を途中まで引き返し(12:10)、南総里見八犬伝の伏姫ノ籠窟方向に歩く(写真下)。しばらく整備された階段をどんどん下りて行くと広い舗装道路に出た。周囲の野草を楽しみながらだらだらと歩く。

 


福満寺の山門(福満寺)


里見八犬士終焉の地(巨木)


富山北峰の展望台(鋸山)


   
ナノハナ(最初は車道を歩く)山道(三合目) オオシマザクラ(スイセンの葉っぱ)
開かれた休憩場所(七合目)富山南峰伏姫ノ籠窟へ(整備された階段)
   
富山北峯からの展望

 

 

▲伏姫ノ籠窟▼
  


伏姫ノ籠窟の山門(籠窟)

この正八角形の各点に「仁義礼智忠信孝悌」

 

ともすれば退屈しがちな車道だが、スミレやヤマブキ、アオキ、テンナンショウなど春の野草の観察に忙しいぐらいだ。伊予ヶ岳もそうだったが、テンナンショウが多いのはちょうどその季節に出くわしただけなのか、それともこの辺はもともとテンナンショウの多い地域なのだろうか。。。

北峰から50分ぐらい歩くと、ようや伏姫ノ籠窟の山門に到着(12:55)(写真左上)。立派な門をくぐり整備された道を少し上って行くと伏姫と犬が隠れていたと言われる籠穴が現れる(写真左上マウスオーバー)。その手前に柵があるので中までは見えないが、南総里見八犬伝のお話どおりの籠穴が実際にここにあるのはとても不思議だ。

その後また春の日差しを浴びながらだらだらと舗装道路を歩いて、駐車場まで戻っていった(13:45)。

今回の温泉は、岩婦温泉。普通の一軒家にあるとても素朴な温泉だった。

帰りは海ほたる経由で、一度隠れた富士山が夕日を背景に姿を現さないかと期待したが、結局姿を現さないまま、夕日は海の厚い雲の上に落ちた。少し残念だった。

   
   
水平方向のテンナンショウ(もうすぐ花)バレリーナのようなテンナンショウタンポポ(アザミ)
ヤマザクラトイレも伏姫と犬の「八房」海ほたるからサンセット