ウバメガシの岩尾根
 
沼津アルプス

多比バス停→大平山→多比口峠→鷲頭山→小鷲頭山→志下峠→馬込峠→志下坂峠→徳倉山→横山峠→横山→八重坂峠→香貫山→黒瀬→沼津市役所前駐車場

年月日 2012年1月8日
地域 沼津

392m(鷲頭山)

天気 晴れ時々曇り
ひとこと 歩き応えあり、ウバメガシ純林の岩尾根
 

 

 
まだ富士山全体が見えている

富士山に雲がかかってきた

 
歩いたコース  ▲多比〜大平山〜鷲頭山〜小鷲頭山▼
  


みかん畑を歩く(駿河湾を見下ろす)

かわいい道標(大平山)

ウバメガシの岩尾根を行く(純林の中を歩く)

鷲頭山(大平山を見下ろす)

 

寒い冬は低山の日だまりハイキング。今回は5山7峠が連なる沼津アルプスへ。全部縦走すると大変そうなので、つらくなったら途中でエスケープすることにして軽い気持ちで向かった、下山後の海の幸を一番の楽しみにして。連休の中日、少し雲が広がっているものの、今のところ富士山も顔を出してくれているし、日差しもある。

ネットを参考にして、沼津市役所前の駐車場に駐車してからバスで多比まで行き、多比口峠登り口の道標から歩き始めた(10:00)。民家の間を歩いていくと、道が二股に分かれるが、一方を歩いていくとすぐ交流して一つなった。駿河湾が少し見下ろせるようになる(写真左上マウスオーバー)。

みかん畑(写真左上)とこれから登る(?)山を見ながら少しずつ標高を上げ山に入っていく。真っ赤なアオキの実が今年は特に多いような気がする(写真下)。しばらく歩くとスイセンの花の中にかわいい道標が立っている。カラー版の手作り道標(写真左上から2番目)。このかわいい道標が最後の香貫山まで案内してくれることになる。

多比口峠(10:30)までやってくると道標に従い、最初の山、大平山を目指して右へ。途中富士山展望ポイントがあったが、そのほとんどがすでに雲に隠れてしまっていた(写真下)。10分ほどの急登で大平山(356m)(写真左上から2番目マウスオーバー)に到着(11:00)。最初の山でゆっくりしてはいられないので即下山。下りの展望ポイントから富士山は完全に姿を消していた。

多比口峠に戻ってきたら今度は鷲頭山方面へと岩尾根を歩く(写真左上から3番目)。この岩尾根はウバメガシの純林で覆われている。その林の中はウバメガシの木の幹がずらり!ものすごい密度で並んでいて、しかもくねくねしたも木々もあり、別世界にやってきたような感じになる。昨年千葉の山のマテバシイの純林の中を歩いたときのことを思い出す。このウバメガシの尾根は鷲頭山への急登が始まるまでかなり長く続いた。

ちなみにウバメガシは姥目樫と書き、「暖地の海岸近くに生え、そのかたい材の特性を活かしたのが備長炭。」とある。

その後多比峠(11:55)まで下りると今度は鷲頭山を目指して急登。途中で先ほど登った大平山(写真左下マウスオーバー)が見えてきた。上り詰めるとそこは鷲頭山山頂(392m)(12:10)(写真左下)。山頂は広くて視界もよく、多くのハイカーがお昼休みをしている。休憩には絶好の場所だが、今回は縦走なので、お昼を食べたらすぐに歩きを再開(12:30)。

10分ほど緩やかに下ったら小鷲頭山(写真下)。すぐそこに駿河湾が見下ろせる。

   
多比バス停近くのここから出発 ゴンズイの実(アオキの実がたくさん) まずは大平山へ(急登が多い)
大平山への途中からの富士山 ウバメガシの純林の中を歩く まるで蛇のよう(おもしろい根っこ)
多比峠(鷲頭山への急登) 鷲頭山山頂 小鷲頭山(小鷲頭山へ)

 

▲志下峠〜志下坂峠〜馬込峠〜徳倉山▼   
  

小鷲頭山の後は下り。ロープがあり、かなりの急降下。ロープを頼りに慎重に慎重に下りる。後で振り返ると、これが今回の縦走の特徴でもある、急降下と急登の連続の始まりだった。

下りきったそのすぐ先のちょっとした広場に20人ぐらいの団体さんが立ち止まっている。右手には大きな岩穴。ここは、源平合戦に敗れた平重衡(平清盛の五男)が逃げ隠れ、切腹をした終焉の地、中将宮(写真右上)とのこと。先に行ってほしい空気が漂っていて、ゆっくり立ち止まれなかったのが残念。その5分後ぐらいに、この縦走で2度目の峠、志下峠(13:00)。その後ろ側にぼたもち岩(写真下)。

そのうち林の中から出て明るい尾根を歩く。き★らら展望台(写真下マウスオーバー)からは駿河湾が見え、進行方向には次の山(志下山)が見える。馬込峠を通りすぎた後、奥駿河パノラマ台さざなみ展望台(写真下)と続き、さざなみ展望台のところに、志下山(214m)(写真右真ん中)の道標がある(13:20)。

この辺は左に海を眺めながらの、なだらかな稜線の日だまり歩きでとても気持ちいい。赤い実といえば、この辺でもアオキの実がたくさん見られるが、トベラの実も目立つ。トベラ(写真下)とは、「海岸近くに生える木で、果実は熟すと3裂し、赤い種子を出す。」少し前に見たウバメガシの葉もそうだが、海岸近くに生える木々の葉は厚くて光沢があるのが特徴だ。

志下坂峠までやってきた(13:30)。なだらかな道はここで終わり、急登が始まる。かなり登って振り返ると、歩いてきた山々や、沼津市と駿河湾が見下ろせる(写真下)。そろそろエスケープのことが頭をよぎったが、とりあえず次の山に登ってから考えることにした。

再び林の中に入ってしばらく歩くと突然視野の開けた広場に出るが、すぐ林の中に入る。少し歩くと戦時中の対空壕跡(写真右真ん中マウスオーバー)。その後、エスケープできる道がある香貫台分岐をそのまま通り過ぎ、また上りが始まった。これもまたロープ付きの急登。

上り詰めるとそこは徳倉山(256m)(写真右下)(14:05)。この山頂も広場のようになっているが、人はあまりいない。とりあえずもう一つ先の山まで行くことにした。この後の下りは、これまで以上に急で延々と続くように感じられた。丸太で階段のような道にはなっていても高さが不規則だし歩幅が合わないので、取り付けられた鎖を頼りに慎重にゆっくり下りる。ひざが笑い出す。

 


中将宮


志下山(対空壕跡)


徳倉山 (徳倉山から下りる急降下)

   
小鷲頭山からの急降下 志下峠(ぼたもち岩) き★らら展望台
トベラ(馬込峠) 奥駿河パノラマ台(さざなみ展望台) 志下坂峠(志下坂峠の後の急登)
志下坂峠後の坂を上ったところからの景色 徳倉山への急登 横山峠

 

)(

 

▲横山峠〜香貫山〜黒瀬〜駐車場▼
  


横山(横山からの急降下)


香貫山展望台からの沼津市(香貫山)


香貫山登山口に下りた(夕日の当たる香貫山)

 

横山峠まで下りたら、もう次の山はいいやと思ったが、ここからはエスケープ・ルートがないので、そのまま次の山、横山にも登るはめになった。この登りも途中で少し急登があったが、これまでと比べるとそれほどでもなく横山(183m)(写真左上)に到着(14:55)。この山頂も広いが視界はない。

横山からの下山がこれまた急降下!この沼津アルプスのコースにはジグザグ道は一つもなく、上りは急登、下りは急降下しかないようだ。急降下も4度目になると、膝は笑い始め、下りの途中で腰をついてしまった。ロープにしがみついて下りていくと車道に出た。ほっとした。

ここまで来たらあとは香貫山(193m)だけなので頑張って最後まで歩くことに決定。しばらく車道を歩いたら、道標のあるところからまた山に入る。とはいってもこの山は沼津市民が気軽に登れる山になっているようで車道づたいに歩いていくと頂上に着いた。と思ったらそこは展望台(16:00)で、香貫山の頂上は別のところ。かなり疲れていたが、頑張って山頂にも上ることに。

ちなみに、展望台はその名のとおり展望がよく沼津の町(写真左真ん中)が見渡すことができ、また反対側にはこれまで歩いてきた沼津アルプスの全貌(写真下パノラマ)も見えるが、香貫山山頂(193m)(16:15)(写真左真ん中マウスオーバー)の方は道標しかなく視界はない。

夕日が当たる香貫山を沼津の町を眺めながら横切り、整備された階段を下りて、香貫山登山口のところに下りてきた。これで長かった沼津アルプス縦走が終わった(16:45)。

本などには逆コースが紹介されているが、まだ元気な時にウバメガシの純林が楽しめ、先に高い山を登っておける今日歩いたコースの方がお奨めだ。歩ききった充実感にひたりながら、駐車場まで歩いて戻った。

その後沼津港に行き、「かもめ丸」で新鮮な海の幸をいただき(沼津丼は残念ながら売り切れ)、帰路についた。 そういえば、富士山は朝姿を見せた後姿を現すことはなかった。

     
横山への急登 徳倉山から車道に下りてきた 「かもめ丸」で海の幸
香貫山展望台から見る香貫山山頂(左側)とこれまで歩いてきた沼津アルプスの山々(右)