ブナの葉の虫こぶ(尾根からの富士山)

 
大菩薩峠 上日川峠福ちゃん荘雷岩→大菩薩嶺→福ちゃん荘→上日川峠
年月日 2015年5月24日
地域 山梨県
2,057m
天気 曇りのち晴れ
ひとこと ピンク色の虫こぶついに発見
 

 

上日川峠への道に多いハリエンジュ これはフジ
いろんな緑 美しい緑
 
歩いたコース  ▲上日川峠〜福ちゃん荘〜雷岩▼
  


大菩薩嶺登山口(福ちゃん荘への道)


ブナの葉っぱにつくピンク色の虫こぶ


富士山くっきり、青空も(雷岩が見えた)

 

この日の天気予報は雨。でもネットでこの時期にブナの葉っぱにつくピンク色の虫こぶが唐松尾根で見られるという情報を得たので、山頂まで上らなくても、虫こぶだけ見られればいい、という思いで出かけた。

上日川峠に車を止めて、登山口から明るい林の中を歩いて行く(8:35)(写真左上)。10分も歩いただろうか。あれ?!細い幹のブナの木の若い葉っぱの上にピンク色の虫こぶが(写真左真ん中)!唐松尾根の前でもう見つけてしまった。ここにも、あそこにも。。。数年、探し求めていたものがやっと見つかって感動!

思っていた通り、他の虫こぶとは違い、ピンク色でふさふさしたこのまん丸の虫こぶは、桃を直径8mmぐらいに小さくした感じで美しい。ブナの木(幹も細いので若い木)の出てきたばかりの透き通るような若い葉っぱに虫こぶが形成されている。本やネットでは1つずつ葉っぱにのっているのをよく見るが、2つや3つが一緒にくっついた形のものが多い。

この後、他のブナの木々でも見つかり、これで目的が達成してしまった。この後どうしようか迷ったが、まだ雨が降る様子もなく、ネットでは唐松尾根で見つかったということなので、もう少し先の唐松尾根でも見つかるか歩いてみることにした。

福ちゃん荘からは左側の唐松尾根への道を歩き始める(9:20)(写真下)。いろんな木々の若葉がみずみずしいのに、足元に生えている笹はなぜか一面茶色で枯れかけているようにしか見えない。笹は60年に一度花を咲かせ、その後枯れるという話を聞いたことがあるが、今ちょうどその時なのだろうか。。。

ここでもブナの木に虫こぶがないかチェックしているのだが、見つからない。その代わり木々の間からなんと富士山が見えた。 天気予報だといつ雨が落ちてもおかしくない中、まさか富士山が見えるとは思っていなかった。そのうちところどころに青空が見えるようになってきた。これはもう展望のすばらしい雷岩まで上るしかない!

この後、何度も振り返って富士山を見ながら(写真左下)、急登の道をゆっくり上っていくと雷岩が見えてきた(写真左下マウスオーバー)。結局、この尾根では虫こぶを見つけることはできなかったが、天気がよくなって富士山が見えたおかげで雷岩まで上ってきてしまった(10:30)。

     

カエデの葉っぱが真っ赤(ズミの花) これも虫こぶ? 唐松尾根分岐(福ちゃん荘)
距は紫色で花は白のオトメスミレ(ミズナラ) 唐松尾根の笹が茶色 富士山が見えた
カエデの葉っぱに穴 鹿の仕業(若葉がみずみずしい) 急登(雷岩)

 

▲雷岩〜大菩薩嶺〜大菩薩峠▼   
  

雷岩に上ってそこからのすばらしい展望を楽しんだら、まずは山頂である大菩薩嶺へ。

途中、透明なゼリー状の筒の中に入ったカエルの卵を発見(写真下)。この場所だけ少し窪んでいるので、カエルが卵を産みつけたときは水たまりだったのだろう。本来ならばこの辺は湿地のような場所かもしれない。ところどころ木道もあるが今はその役目も果たしていないし、木道自体も乾ききっている。5月の雨量が少なかったことを物語っているようだ。上を見上げると桜の花がまだほんの少し残っている(写真下)。2000m以上の標高ではちょっと前まで春だったのだろう。

展望のない大菩薩嶺(10:40)から雷岩に戻ってきて(10:50)、富士山をはじめとする素晴らしい展望の特等席でお昼のおにぎりを1つ食べたら今度は大菩薩峠へ(11:00)。ここからは気持ちいい尾根歩き。しかも右側には大菩薩峠までずっと富士山が見られるという特典付き。目を下にやると湖の周囲にはきっと何百種類もあるだろう緑色でできた美しい森(写真右中央)の中に、歩いてきたロッジ長兵衛と福ちゃん荘を見つけた。

一つだけ残念に思うのは花が見られないこと。前回もそうだったが、この辺一帯、鹿が増えすぎてほとんどの花は食べつくされているのだ。唐松尾根でも木の皮がはがれていたり、かなりの被害を受けている。なんとかならないものか。。。

唯一咲いているのはところどころに咲いているシロヘビイチゴと黄色のヘビイチゴの花(写真下)。 ヘビイチゴの花は鹿が嫌いだから残ったのだろうか。それにしても雷岩から大菩薩峠まで花がこれだけとはさみしい。。。

2000m地点(11:20)(写真下)では、数人が休憩している。右側を見ると登山道からかなり離れた湖方向の崖のようなところにハイカーが二人座っているではないか(写真右下)。富士山を見るには超特等席には違いないだろうが、あんなところまでどうやっていったのか、道はあるのか、危険ではないのか。。。それにしても風景に溶け込んでいたのは不思議だ。

賽ノ河原(11:45)の避難小屋から少し上り突きあたりの親不知ノ頭から真正面の富士山を眺め(写真右下マウスオーバー)、左側の岩を下りていくとすぐそこが大菩薩峠(12:00)。

 


雷岩からの富士山


森を見下ろす(気持ちいい尾根歩き)


ここに人がいる(親不知ノ頭からの富士山)

     

カエルの卵

大菩薩嶺 大菩薩嶺近くで桜の花

ヘビイチゴの花 2000m地点(八丈岩 賽ノ河原から振り返る
尾根からの展望

 

 

▲大菩薩峠〜福ちゃん荘〜上日川峠〜
  


大菩薩峠手前の富士山(大菩薩峠)


下りの途中で富士山(ゆるやかな下り)


小さな虫こぶ(福ちゃん荘手前でも虫こぶ)

 

大菩薩峠手前で富士山とは「さよなら」となる(写真左上)。大菩薩峠でおにぎり2つ目を食べてお昼休憩。介山荘の近くで、先ほどのヘビイチゴ以外の花、ワダソウとミヤマツボスミレを見つけた(写真下)。

ここからはゆるやかな下山(12:25)。福ちゃん荘までずっとゆるやかなので、この道で大菩薩峠に上って同じ道を下ると、ハイキング気分で2000m級の山を楽しめる。

ゆる〜く下りていくと途中で木々の間から富士山が見えた。お昼を少し回ったがまだ富士山は営業してくれている。ありがたいことだ。足元の花はときどきスミレが顔を出してくれる程度。でも若葉あふれる森にいると、葉っぱからかなりのエネルギーをもらっているような気がする。

後半になると、カエデの葉っぱが目立つようになった。空のキャンパスに押されたウチワハカエデの葉っぱのスタンプはいつ見てもきれいだ。そうこうしていると、ブナの葉っぱに例のピンク色の虫こぶを1つ発見。福ちゃん荘まで下りていないところで見つけたのはここだけ。

勝縁荘(閉鎖)のところまで下りてきた(13:00)。川を渡って林道を歩き、富士見荘を過ぎると福ちゃん荘に戻ってきた(13:15)。ここからは今朝通ったあの虫こぶのある道を戻る。

せっかくなのでまた朝と同じブナの木々の虫こぶをじっくり観察。あれっ?目の前に。。。なんと木の幹から直接伸びた細い枝の若い葉っぱにも虫こぶがついている。(写真下)こんなところにもあったのに気がつかなかった。。。桃を小さくした感じで美味しそうに見えるけど、これは中に虫がいるので間違っても食べられない。どちらかというとグロテスクな虫こぶが多い中、なぜこのような鮮やかなピンク色の美しい虫こぶができるのか不思議だ。

というわけで、今日はずっと探していたこのピンク色の虫こぶを発見できただけでなく、雨の天気予報は大きく外れ晴れてくれたおかげで富士山も見え、山頂まで行くことができて実りの多いトレッキングだった。

     

ワダソウ(ミヤマツボスミレ) 鮮やかなツツジ(ムシカリの花)

ハウチワカエデ(新緑)

生まれたてのカエデの葉っぱ 葉っぱが。。。(カエデに虫) ウリハダカエデ

ブナの虫こぶが4〜5つくっついている

ブナの虫こぶ単体 木の幹からでた枝の葉っぱに虫こぶ