トマの耳からオキの耳へ

 

谷川岳

天神峠駅→熊穴沢避難小屋→谷川岳肩ノ小屋→トマの耳→オキの耳(最高点)→元来た道
年月日 2018年7月27日
地域 群馬県水上
標高 1977m
天気 晴れ
ひとこと いくつもの岩場を超えて山頂へ、お花畑
 

 

歩いたコース  ▲ロープウェイ天神平駅〜熊穴沢避難小屋▼
  


天神平駅とリフト乗り場を振返る(草原を歩く)


ブナの虫こぶ(ブナの木の道)


向こうに谷川岳が見える



 

次の日(週末)から台風がやってくるというその前日、休暇を利用して谷川岳に。東京にいたらちょっと信じられないが、それでも水上方面は「晴れ」という天気予報を信じて朝早く出発。

道中、やっぱり今日晴れるなんて絶対信じられないような鉛色の曇り空の下を通り過ぎると、その向こうに青空が見えてきた!最近の天気予報は本当にすごい!

ロープウェイ駅の谷川岳ベースプラザの駐車場は立体駐車場で建物の中に駐車できる。すでにかなりの車が駐車しているということは、多くの谷川岳登山や展望台に行く人達がすでに出発しているということだ。標高764mの土合口駅からゴンドラ(往復2060円)に乗り(写真下)、10分余りで1319mの天神平駅(写真左上)に着いた。

ここからはリフトに乗っていく方法もあるが、乗らずに歩いて出発(10:30)。(実はリフトを降りた天神峠駅の周囲にはニッコウキスゲの群落があるらしい)。安全祈願の鐘の向こうに少し霞んだ朝日岳(写真下)を見ながら、リフト乗り場(写真左上マウスオーバー)を通り過ぎて草原に入っていく(写真左上マウスオーバー)。「ロープウェイの最終発車時間は17:00」という標識がある。まだ10時半だが、道草をしながらゆっくり歩くので最終時間は忘れないように頭の片隅にいれておく。

草原にはクガイソウ、ヨツバヒヨドリ、シシウドなどが咲き乱れている。そのうち林の中に入るとオウバキボシやシモツケ、そしてきれいなブルーのエゾアジサイなど花は途切れない(お花畑参照)。

しばらくするとリフト天神峠駅からの道との合流地点の標識が現れた(11:00)。リフトを使った場合は、ここに出てくることになる(写真下)。

葉っぱに何やら赤いものがいっぱいついたものが目に入ってきた。もしやこれはブナの葉っぱについた虫こぶではないか。ブナの葉っぱにつく虫こぶはいろんな種類があるが、赤くて丸くとがったのはブナマルタマフシ。この虫こぶがこんなに広範囲でたくさんついているのは初めて見た(写真左真ん中)。しかも目線の高さで。

楽な木道は終わり、崖の鎖場をすぎると開けた先に谷川岳が見えた(写真左下)。山頂はまだまだだが、岩場を1つ越えてしばらく歩くとブナ林の向こうに赤い建物が見えてきた。熊穴沢避難小屋(写真下)に着いた(11:30)。

     
ゴンドラ(乗り場までの通路) ゴンドラ 白毛門・朝日岳方面(リフト乗り場)
木道を歩く  リフト天神峠駅からの合流地点 ブナマルタマフシ
鎖場(岩場) ブナ林を歩く 熊穴沢避難小屋(向こうに赤い建物)

 

▲熊穴沢避難小屋〜谷川岳肩ノ小屋▼   
  

すぐ先に急な岩場が現れた。慎重にクリアして安心していたら甘かった。この先、このような急な岩場が次から次へと現れることになる。幸いにもこの日はそれほどハイカーが多くなく、他の人達に待ってもらったり、待ったりすることがほとんどないため、一つひとつあせらずゆっくり登ることができる(写真右上)。

岩場を5、6か所(?)越えたら一旦展望が開けた。これで岩場は終わりかなと思ったらさらに2、3つ岩場を超えてやっと尾根に出た。周囲は開けているがガスでほとんど見えない。ほっとして道の脇を見ると、いろんな高山植物(ハクサンボウフウ、ヒメシャジン、シモツケなど)が咲いていて(写真下)、これまでの岩場のきつい登りにお疲れさま、と言ってくれているようだ。

「天狗の溜まり場』という岩の下までやってきた(12:15)(写真右下)。鮮やかなオレンジ色のクルマユリが迎えてくれた(写真下)。

さらにガスで周囲が見えない尾根道をゆるやかに上っていくと「天神ザンゲ岩」に到着(12:45)(写真右下マウスオーバー)。

ここからはザレ場に作られた丸太の階段を上っていく。あいにくのガスで遠くはよく見えないが、近くにミヤマシシウドやニッコウキスゲなどが咲いている。

約15分後ガスの中薄っすらと見えていた谷川岳肩ノ小屋(写真下)に到着(13:00)。

 


急な岩場を登る


天狗の溜まり場(天神ザンゲ岩)

    ●印はクリックして拡大
尾根に出た(まだまだ現れる岩場) お花畑 天狗の溜まり場のクルマユリ
天神ザンゲ岩への尾根道 ガスの中木段を上る(ニッコウキスゲ) 谷川岳肩ノ小屋

 

 

▲谷川岳肩ノ小屋〜トマの耳〜オキの耳〜元来た道▼

  


トマの耳へ


オキの耳山頂


肩ノ小屋からの展望

 

谷川岳肩ノ小屋を通過して笹原が広がるゆるやかな道を歩いていく。道端にはハハコグサやキオンなどの花が咲いている。そのうち、ガスから抜け出て真っ青な空が現れた。周囲の景色もくっきりと見え、トマの耳がそこに見える。すぐにトマの耳(1963m)に到着(13:10)(写真左上)。

山頂の西側はちょうど谷になっているが、南側の山から滝雲が流れてきて谷にこぼれそうな状態(写真下パノラマ)。すぐ北側には谷川岳のもう一つの耳、オキの耳が青空を突いている(写真下と写真一番上)。

狭くてゴツゴツしたトマの耳にはすでに多くのハイカーがいるが北側に場所を見つけてオキの耳を見ながらおにぎり休憩。

今度は一旦下りてからオキの耳への道へ(13:30)。このオキの耳への道は、ミヤマシシウド、キオン、タカネコンギク、シモツケソウ、ハクサンフウロ、ウツボグサなどなどさまざまな花が咲いていて、まさにお花の道。

オキの耳(1977m)に到着(13:50)(写真左真ん中)。こちらの山頂にはあまり人がいない。ここからの景色もトマの耳とほとんど変わらないが、ここから見える先ほど上ったトマの耳は半分ガスに隠れている(写真下)。

展望を堪能したら下山開始(13:55)。途中で南側のガスが一瞬とれて谷川岳肩ノ小屋がくっきり見下ろせた(写真下)。肩ノ小屋まで下りたら(14:20)トイレ休憩と水補給(ドリンク販売)のため少し休憩(15分ぐらい)。

小屋の西側にあるベンチからはミヤマシシウドやキオンなどのお花の群落がすばらしい(写真左下)。ただ、その先はやはりガスがとれないためあまり遠くまでは見えないのが残念。

この後往路よりは展望がよくなった木の階段を下りたら、その下方に天狗の溜まり場が見えた(写真下)。

熊穴沢避難小屋まで戻ってきたら(15:40)、小さな子供2人(4〜6歳ぐらい?)を連れた家族が下山していた。なんと子供たちはこの谷川岳を歩いて登ってきたそうだ。この子たちが将来めざすのはエベレストかもしれない。

結局、天神平駅に戻ってきたのは16:30で、ロープウェイの最終発車時間の30分前だった。

     
トマの耳 トマの耳からオキの耳を見る オキの耳からトマの耳を見る
一瞬ガスがとれて肩ノ小屋が見えた ガスが少し取れた下山時の木の階段 天狗の溜まり場が見える(ブナ林)

トマの耳からの西側の展望