城山と桜

 
城山 花の苑地駐車場→桜の小道→小網登山道→女坂→飯縄神社→城山山頂→車坂(男坂)→根本登山道→湖畔展望園路→花の苑地駐車場
年月日 2021年3月27日
地域 神奈川県相模原市
標高 375m
天気 晴れ
ひとこと 低山でもサクラとスミレなど春のお花いっぱい
 

 

萌黄色の木とサクラとユキヤナギ 桜の小道の桜
     
歩いたコース  ▲花の苑地駐車場〜桜の小道〜小網登山道▼
  


城山と桜の「花の苑地」駐車場

城山登山口、位置番号No.1

山の雰囲気





 

ようやく緊急事態宣言が解除された最初の土曜日。次の日は春の嵐という天気予報で高速道路は渋滞になることを予想して朝6時前に出発。おかげで道路はほぼ順調に進み、津久井城山公園の花の苑地には7時前に到着。駐車場は8時からとなっていたが既に入れた。もちろん車はほとんどいない。

駐車場の周囲は満開のサクラで覆われ 、そのすぐ向こうに今日歩く予定の城山が頭を見せている(写真左上)。反対側は津久井湖。景色はいうことない。

最初の難関(道路と駐車場)はクリアしたので、ここで1時間ほど休んでから歩き始める。なんと今年最初の山歩きだ。3カ月も山を歩いていないので、最初は散歩からとこの城山を選んだ。

津久井湖観光センターの向こうにある陸橋から道路の向こう側に渡る。サクラやユキヤナギやすでに萌黄色の木々など、青空に映える春いっぱいの景色を感じながら、この城山がどんな山なのか楽しみでいっぱいだ。

東屋までゆるやかに上って左に曲がると道標がある。ここがスタート地点で、茶色の位置番号はNo.1(写真左、上から2番目)。木の小箱には城山散策絵図のガイドマップが入っている。道標に従いここから少し急な階段を上っていく(8:35)。とはいっても階段はすぐに終わるが、その向こうは木がうっそうと茂る森の中。先ほどの観光地の雰囲気が一気に登山の雰囲気に変わる(写真左、上から3番目)。

いきなり実が薄黄色のアオキの木を発見(写真下)。アオキの実は通常赤だが、これはもしかしてかなりめずらしいのかもしれない。後で調べるとシロミノアオキ(これは真っ白ではないが)といい、高尾山で見つかっているとあるが、ここ神奈川県にもあるこのアオキもそうなのだろうか。

また現れた階段を少し上っていくと、さっそくスミレが現れた。葉っぱが長くて、距が丸くて短いので、ナガバノスミレサイシンのようだ(写真下)。いろんな春の花が見られそうな予感。

位置番号No.2では小網口方面へ(写真下)(8:45)。反対側はくさり場などがある荒川登山道だが、崖崩れのため当面通行止めになっている。マムシグサが多く見られる。この花のフォームは独特だがとても地味な色なのに、冬に見られる真っ赤な実はトウモロコシのようにぎっしり並んでいて毒々しいのがとても対照的だ。アオキの花も茶色で地味だが実は真っ赤。

位置番号No.3(写真下)(8:50)ではさらに山頂方面に向かう。ナガバノスミレサイシン以外にタチツボスミレも現れた。よく見ると、なんとエイザンもいるではないか!ヒトリシズカも見つけた。小さな山なのに、こんなに花の種類が多いのには感激だ。

     

津久井湖観光センターは9時からオープン

シロミノアオキ

ナガバノスミレサイシン(シロバナ)
ナガバノスミレサイシンの距は太くて短い NO.2小網口方面へ(通行止め) No.3
葉はまだ→葉っぱは地中から 美しい自然のアート エイザン

 

▲No.16〜飯縄神社〜城山山頂▼   
  

ジグザグ道(小網登山道)を通って位置番号No.16まで来ると(写真下)(9:25)、左側の道(女坂)を行く。普通に歩いていればあっという間に頂上に着くような道なのだろうが、花に夢中になりすぎて、少し歩いては座り込み写真を撮るという動作の繰り返しで、なかなか進まない。

頭上に虫こぶがついた葉っぱを見つけた。なにやら白い花をつけている。後から調べたのだが、これはシキミ 。であれば、小さな白い花が集まって円錐状に咲くミヤマシキミと関係があるのかと思ったら、両者は根本的に異なるらしく(写真下)、ミヤマシキミ(ミカン科)の方は葉がシキミ(シキミ科)に似ていることからこの名前がつけられたそうだ。ミヤマシキミのことを略してシキミと呼んだりしていたが気をつけねば。

スミレはさらに多くなり、群落で見られることも多くなった。斜面にずらりと集まったナガバノスミレサイシンは白い花の群落と淡紫色の花の群落がある(写真右上とマウスオーバー)。花のサイズも幅が3p近くもある大きなスミレもいるが(写真下)、これもナガバノスミレサイシンなのかどうかわからない。コスミレかもしれない。距の形などを確認すべきだった。

そのうちスミレにヤマルリソウが混じってきた。葉がロゼッタ状に地面に広がるこの花の色はきれいな瑠璃色だが、写真に写すとかなり褪せて見えるのが残念だ(写真下) 。ピンク色のもある。ここでもエイザンが見つかった。

ようやく最後の山頂への十字路に到着(No.15)(写真右、上から2番目)(10:05) 。まずは左の飯縄神社に上り(写真下)お参りをしてから十字路に戻り、今度はまっすぐ山頂へと進む。

太鼓曲輪の向こうには堀切(尾根を逆台形に深く掘り込んだもので、平時は橋がかけてあるが、いざ戦になると橋を落として敵を防いだ)があり(写真右、上から3番目)、その先の土蔵から一段高いところに上がったところが山頂の本城曲輪(10:30)(写真右一番下)。山頂まで通常1時間もかからないのに、なんと2時間もかけて上ってきたことになる。

この広い曲輪には大きな木があり、その一つは桜で満開状態。もう一つの木には「城山」の名札が掛けられている(写真右一番下マウスオーバー)。少し上ったところに筑井古城の石碑もある(写真右、上から3番目マウスオーバー)。

この広場でゆっくりしたいところだが誰も休んでいないので(山頂周囲にいる人も数人しかいない)、少し下りたところのベンチ(写真下)でおにぎり休憩することにした。ここからは津久井湖と春の山々の展望が素晴らしい。向かいの山々は、春らしい霞んだ空の下、常緑樹もあり、冬枯れの木々が大半の中、萌黄色と桜の淡いピンクが点々と混ざった山々のふわふわ感がたまらない。春にしか見られない光景だ(写真下パノラマ) 。

今年は季節が平年より2、3週間ぐらい先を行っているような気がするが、まだ3月というのに全く寒くなく、やわらかい風がとても心地よい。

 


ナガバノスミレサイシンの群落(紫)


十字路


堀切(筑井古城記碑)


山頂(木に「城山」)


     
分岐点No.16で左へ ミヤマシキミ(左)とシキミ

シキミの葉っぱに虫こぶ

花びらの付け根がピンクできれい

3cm近くある大きな花(スミレに虫)

ヤマルリソウ
ロゼッタ状のヤマルリソウ 飯縄神社へ このベンチに座って休憩(春山)
美しい展望(奥の山並みに高尾山も)

 

 

城山山頂〜車坂〜根本登山道〜湖畔展望道路〜駐車場▼

  


少し急な男坂を下る


湖畔展望園路


津久井湖と桜と駐車場

 

ゆっくり休んだら下山(10:55)。本城曲輪のすぐ下をぐるりと回って土蔵に戻り、下りの道へ。先ほどの十字路まで戻ってきたら(11:10)、今度は来た道とは反対側の車坂(男坂)を下りる(写真左上)。男坂は女坂に比べると少し急になっているがそれでも歩きやすいし、下りなので問題ない。

女坂では、アオキの花が多かったが、男坂では赤い実が目立つ(写真下)。ふと上を見ると木々にキジョランが絡まっている。でもここでは高尾山のように森一帯を占拠しているふうでは全くない。

ここでもスミレが見られるが先ほどのように多くはない。なんとまだ3月なのにシャガの花も咲き始めている(写真下)。

どんどん下っていくと次の分岐点にやってきた(No.7)(11:30)(写真下)
。ここでは花の苑地に近い根本登山道を選んだ。ゆるやかに下ってNo.6までやってきた(11:40)。近くにデッキの道がめぐらされている。

デッキを少し歩き、城山と枝垂れ桜がコラボで見られる道(写真一番上)から、湖畔展望園路に出た(11:55)(写真左上から2番目)。この道は花の苑地につながる一本道。整備された遊歩道だ。左側には障害物がないところで津久井湖の展望があり、右側は山の斜面でお花の展覧会状態。ヤマブキ、セントウソウ、マルバコンロンソウ、カキドオシなどなど。改めてみるとカキドオシの花の美しいこと!(写真下)

小網登山道との分岐(No.4)を通り過ぎてからも(12:00)、タチツボスミレの群落、終わりを迎えたミツマタ、そしてコスミレの群落、終わりかけのカンヒザクラ、ミミガタテンナンショウ( マムシグサ)、そしてニリンソウの群落、ムラサキケマンと続く。

いつの間にか、道がデッキになり、出発地点に戻ってきた(12:15)。津久井湖とその向こうの山と桜の木が織りなす景色は美しい(写真左下)が、この時間にもなると、その手前の駐車場はどれも満車状態で、入れなくて待っている車の列ができているところもある。

朝早く出発したころは車も数台だったが、今はもうお昼。観光地としてはこれからがピークなのだろうが、コロナ禍なので、人の少ないうちにお散歩ができてよかった。

     
アオキの実がいっぱい(キジョラン) No.7の分岐点 シャガ(「筑井城跡」)
美しいカキドオシの花 コスミレ ニリンソウ
ニリンソウの葉っぱについた虫こぶ? ムラサキケマンの花が開く前 菌えいか?