燃える涸沢
 
涸沢上高地→横尾山荘→涸沢小屋経由→穂高岳山荘→涸沢ヒュッテ経由→パノラマ新道→新村橋→上高地
年月日 2001年10月4日〜6日
地域北アルプス(長野県)
2983m (穂高岳山荘)
天気晴れ/雨/晴れ
ひとこと涸沢が燃えている!
 

 

  ▲1日目(上高地→横尾山荘)▼
  


上高地

 

中央自動車道を松本で降りて158号線を走る。沢渡駐車場に車を駐車。そこから他の登山者たちとタクシーに相乗りして上高地まで行くことに。30分も走ると進行方向に現れた上高地を代表する堂々とした山々の姿に胸が躍り始めた。だが、この奥にこの何倍も美しい景色が待っていることなど、このときには知る由もなかった。
上高地から横尾山荘までは、ほとんど平地歩きの3時間らくらくコース。横尾山荘は新築で、しかも温泉付き。今の紅葉の時期は週末の場合、布団一枚に3、4人という混み具合だそうだが、幸いにも今日は平日の木曜日なので8畳の部屋に8人までと快適。雑誌『ヤマケイ JOY』に書いてあった人気(?)のお弁当(パンなど)も忘れずに頼んだ。

 

▲2日目(横尾山荘→涸沢小屋経由→穂高岳山荘)▼  
   

2日目は天気予報どおり雨。でも明日は晴れの予報なので紅葉のお楽しみは明日までお預けにして、今日は移動に集中する。雨が降ったり止んだり、しかもガスで周囲の景色が全く見えないまま、なんとか3時間ぐらいで涸沢小屋に到着。ここでお昼のお弁当。とりあえず涸沢小屋の名物であるソフトクリームも忘れないが、この天気にはちょっと冷たすぎた。
相変わらずガスに包まれた中、今度は穂高岳山荘をめざして出発。砕石の上を道を探しながらゆっくりゆっくり進んでいく。行き違う人もほとんどいない。途中からごつごつ岩場(ザイテングラード)になり、よじ登り状態が続く。自分が一体どういう場所にいるのか分からないうえに、鎖あり、はしごあり、絶壁ありで怖い。とにかく、そこにずっと居たくないから、必死で進んでいくしかない。涸沢小屋を出発して約3時間後、穂高岳山荘に到着!思わず万歳をしてしまう。

 
ガスの中

 

 ▲3日目(穂高岳山荘→パノラマ新道→上高地)▼
   


屏風の頭の手前から見た涸沢

*ここは、氷河時代に谷を埋めていた万年雪が長い時間をかけて山の斜面を削り取ったカールと言われる地形で、その規模は日本最大級。
 

3日目は天気予報どおり快晴!ご来光を奥穂高岳山荘から拝んだ。朝食後、涸沢まで下りながら、昨日ガスで何も見えないまま登ったところが、とてつもなく素晴らしい景色だったことが明らかになった。それに、あんなに怖がって登った岩場も周囲がはっきり見えるとそんなに怖いところではない。あっという間に涸沢ヒュッテまで降りた。丸くくぼんだカール*の底から紅葉で燃える涸沢をゆっくりぐるりと見渡す。息を呑むほどの絶景(一番上の写真)。もちろんこんなすばらしい景色は生まれて初めてだし、これからもこれほどの景色に出会うことはそうないだろう。
この後、ここの名物おでんをいただき、今度はパノラマ新道から上高地に戻ることに。これが思っていたよりずっと厳しいコースだった。ロープあり、はしごあり、そして限りなく続く下り...。上高地には予定より大幅に遅れて夕方5時前に着いた。スタミナ不足を痛感。