申し分のない行楽日和となった土曜日、再び陽だまりハイクに出かける。穏やかな冬の日の、のんびり低山ハイクはたまらない。さらに富士山が見えれば言うことなし。今回は海と富士山のコラボが楽しめるという、伊豆の発端丈山をめざす。

東名高速では、富士山が車の正面に現れたかと思うと、近くの山に隠れてみたり、少し経つと今度は道路の右側に広大な裾野を広げて、その堂々とした姿を現す。あれ、いないなと思うと今度は後ろにいる。富士山とのかくれんぼを楽しんでいるうちに沼津に着く。伊豆方向に向かうやいなや渋滞が始まる。さすがにこの天気、だれもが伊豆に誘われるのは無理もない。2、30分ほど我慢して渋滞を抜け、伊豆中央道に入りあっという間に伊豆長岡温泉到着。

『かつらぎ山パノラマパーク』の駐車場に車を止め、ここからロープウェイに乗って葛城山まで他力登山(写真左上)。本によく紹介されている城山-葛城山-発端丈山の縦走コース(５時間)は時間がないため今回は諦め、いきなり葛城山の山頂に立ってから発端丈山に行き、長浜の海岸に下るという楽で短時間のコースを選択した。

10分弱のロープウェイ空中散歩の後いきなり立った葛城山山頂の展望台からの眺めは、いきなり富士山の絶景(写真すぐ下)！海を隔てて見える富士山はこの地域限定だ。

葛城山山頂には、展望台のほか、神社、茶店、ギフトショップ、お散歩コースなどがあり、充実したパークになっている。ここの梅はすでにたくさんの花を咲かせている(東京はまだ一輪)。窓越しに富士山が見える見晴茶屋でおそばをいただき、神社にお参りする。物見やぐらからもう一度富士山の絶景を眺めるが、すでに霞み始めている。物見やぐらの隣にあるのは、源頼朝公の像。頼朝が伊豆に配流された時、葛城山で鷹狩をしたという(写真すぐ上)。

ここからハイキング開始(13:20)。葛城山山頂登り口まで急降下(13:40)。その後平坦な舗装道路をのんびり歩く。葛城山分岐まで来る(13:50)と、杉や檜の植林の中を歩く。緑の少ない冬だが、背の高い杉や檜の足元一体を青々としたアオキ(写真右上)が覆っているのがうれしい。

やがて、修善寺より開基が古いとされる益山寺分岐に出る。ここで林道を渡り、少し登ったところから先ほどまでいた葛城山がよく見える(写真右下)(14:20)。それから少し下り、また上り返すと発端丈山の山頂に着く(14:30)。山頂は伐採されていて、周囲の展望がよく、山頂に着く前に頭から少しずつその姿を現してきていた富士山の全景が内浦湾の向こうに見える(写真下)。

この開けた頂上でぽかぽかお日様を浴びながらのんびりお昼寝をしたいところだがもうすぐ15時。すぐ後に団体さんがやってきたので、下山開始(14:55)。

今度は山頂410ｍから海抜0ｍの長浜まで一気に下る。霜柱が解けて滑りやすくなった急なジグザグ道を慎重に下りる。この下りでは、手前に淡島が浮かんだ内浦湾が眼下に見え、その向こうに富士山が見える(写真左上)。この辺まで来ると、富士山が海に浮かんでいるようにも見える。ただ、富士山がどんどん空の青色に溶け込んでいくのが残念。

さらに休憩舎(写真左下)まで下る(15:15)と、海がさらに近くに見える。スイセンの花(このスイセンの花は少し変わっていて、中央の部分が黄色と白が混ざった模様になっている)が咲く(写真下)三津方面と長浜方面との分岐地点で、どちらに進むべきか迷う。とりあえず、地図どおり長浜方面に下りることにした。

さらに下ると、ミカン園の中に入る(写真下)。まるでお日様を独り占めしているかのようなこの斜面をミカンになった気分でころころ降りていくと、発端丈山登山口(長浜口)に出る(15:45)。左手に住本寺を見て広い道に出ると、そこは海。漁船の浮かぶ海の向こうに淡島が今度は大きく見え、その後ろ側に富士山が霞んで見える(写真下)。

海岸通りを５分ほど歩いて、伊豆長岡温泉行きバス停のある三津シーパラダイスに着く。バスの待ち時間にシーパラダイスで映画『皇帝ペンギン』に出てくる子供ペンギンのぬいぐるみをゲット！