一丁平のヤマザクラ
 
高尾山清滝駅→1号路→高尾山山頂→一丁平→5号路→稲荷山コース→清滝駅
年月日2006年4月15日
地域奥多摩
599m
天気曇り時々晴れ
ひとことタカオスミレ見いつけた!
 

 

  ▲タカオスミレを探して▼
  


タカオスミレ(マウスオーバーでアップ)

ニリンソウ(ヨゴレネコノメ)

 

この日の天気予報はよくなかった。一日中どんよりした曇りでしかも真冬並みの寒さになるという。山では雪もちらつくかも...。
ところが朝目が覚めると、空が思った以上に明るいし、うっすら青空さえ見えている。高尾山が「いらっしゃい」と呼んでいる!るんるん気分で出発。

今回の高尾山ハイキングの第一の目的は、タカオスミレを見つけること。そのために、タカオスミレが咲いているといわれる1号路を歩くことにする(10:15出発)。 道路が整備されているこの道は初心者用ハイキングコースと言われるが、周囲をよく見ると、なかなかのお花の宝庫。金比羅台までの間にタカオスミレが咲いているということなので、首を右左に振りながら注意深く歩いていると、道の右側にこげ茶色っぽい葉っぱを発見。近寄って見ると、もしかしてこれはタカオスミレ?!

その辺一帯にこげ茶の葉っぱはあるが、花は開きかけのが一輪あるだけ。よ〜く観察して、花の中心部は確かに黄色で、これがタカオスミレであることを再確認! こげ茶の葉っぱは他の種類のスミレのそれよりもかなり大きめで、花はその中に埋まるように、しかも下向きに咲いている。地面に下を向いて咲いた花の写真は撮りにくい。しかも花は完全に開いていない。完璧な写真にはならなかったが、とりあえず写真に残せて満足(写真左上)。目的はかなり簡単に達成された。でも、タカオスミレを見たのは後にも先にもこれだけだったので、後から思うとかなりラッキーだったかもしれない。

 

▲春の花々と萌黄色の木々▼  
  

我々の足を止めるのはタカオスミレだけではなかった。ミヤマキケマンやニリンソウ、ヨゴレネコノメなどいろんな花(お花畑をクリック)に出会うたびに名前を本で確認し、観察しながらゆっくり歩く。ニリンソウは確かに二輪ずつ咲いているのだが、どれも背丈が違うところがおもしろいし、スミレの花の後ろにコブのようなものがあるのを発見してびっくり、などなど。おかげで、金比羅台に着いたとき、出発してからすでに1時間以上経過していた(11:30)。

ここからは、萌黄色の山々と関東平野を見下ろすことができる。芽吹きが始まったばかりの大きな木に近づいてみると、小さな小さないちょうの葉っぱが芽から出てきたばかり(写真下左)。かわいい!触らずにはいられない。みずみずしいこの萌黄色にありあまる生命のエネルギーを感じることができる。

そうこうしているうちに、ケーブルカーやリフトの駅である高尾山駅までやってくる(12:00)。かすみ台展望台からは、冬の天気のいい日であれば新宿の高層ビルまで見渡せるという。もちろんこの日は無理。それよりも近くの山々の萌黄色がこれまた美しい。ところどころに桜の薄いピンク色が混ざって、まさに春を感じさせる景色(写真右上)。この辺から、これまた生まれたての葉っぱをぶらさげたイヌブナの木々(写真右下)が目立ち始める。枝に沿って一定間隔で葉っぱが2,3枚ずつ垂れ下がっている。触ると、この萌黄色の葉っぱを覆う産毛(?) が気持ちいい(写真下中央)。

 


かすみ台展望台からの展望

イヌブナ

   
   
生まれたてのイチョウの葉毛に覆われたイヌブナの葉真っ赤なアオキの実

 

 

▲ミツバツツジとヤマザクラ▼
  


たこ杉
高尾山から一丁平の道


 

有名なたこ杉(写真左上)を通り過ぎ、薬王院を通り過ぎる(12:40)とやがて高尾山山頂だが、すぐに一丁平方向に向かう。道を少し下りたあたりから一丁平方向を見渡すと、道の両側に咲く山桜のトンネルからその向こうの山々に咲く桜が見える景色はとても風情がある(写真左下)。 しばらく歩いて、右側の巻き道に入ったところの、紫色がかった濃いピンク色のミツバツツジと薄いピンク色のヤマザクラの競演はすばらしい(写真一番下)(13:30)。やはり、ここは4月中旬の高尾山の景色のハイライトの一つではないかと思う。

その後引き続き右側の巻き道を歩いていくと斜面にスミレ多数あり。この辺ではタチツボスミレやマルバスミレのほかにエイザンスミレもある(写真下)。ナガバノスミレサイシンの群落もある。今まで見た中で最も大きなテンナンショウが見つかった。これは何度見ても奇妙な植物。あっ、葉っぱで花を覆っているヒトリシズカさんを見っけ!本人はちゃんと隠れているつもりなのだろうか。このかくれんぼは私の勝ちかしら!(お花畑クリック)

午後2時ごろにやっと一丁平到着。お昼が大幅に遅れた。ちょうどお昼時ならこの辺一帯、花見客だらけなのだが、その大半はそろそろ帰り始めている。人が多すぎなくてかえってよかったかも。お昼を簡単に済ませて、一丁平の標識があるところまでさらに先に歩く。常緑樹の山をバックに白い幹が多い林の中、山桜があまり密集しない程度にその辺一帯に咲いているこの景色も風情がある(写真一番上)。

帰りは5号路から稲荷山コースへと、これまた時間をかけて歩き、清滝駅に着いたら、なんと5時になっていた。こんなに時間をかけたハイキングは初めて。とっても有意義なハイキングだった。生まれたての若い命からエネルギーをいっぱいもらえたような気がする。

   
    
タチツボスミレマルバスミレナガバノスミレサイシンエイザン
   
みずみずしいイヌブナミツバツツジとヤマザクラの競演