惣岳渓谷 (しだくら吊橋)

 
奥多摩むかし道むかし道入口→不動の上滝→いろは楓巨樹→しだくら吊橋→道所吊橋→奥多摩湖
年月日2007年11月25日
地域奥多摩
N/A
天気晴れ
ひとこと

旧青梅街道を歩く、橋から眺める渓谷、
月夜見第一駐車場から眺める奥多摩湖

温泉小菅の湯
 

 

マップ ▲数馬峡、むかし道出発▼
  


昭和橋からの眺め(数馬峡)

奥多摩駅(ビジターセンター)

石畳の道(針葉樹の道)

 

ちょうど前の日、テレビを観ていたら「もしツア」の番組で、今見頃の「奥多摩紅葉ベスト3」のようなものをやっていた。3位「御岳渓谷」2位「数馬峡」1位「月夜見第一駐車場からの奥多摩の景色」で、どれも絶景が映し出されていた。

これに影響されて、今回計画していた「奥多摩むかし道」ハイキングに急遽、2位の「数馬峡」と1位の「月夜見第一駐車場」を追加した。その分、朝は頑張って早めに出発。ちなみに「奥多摩むかし道」は、奥多摩町氷川(奥多摩駅あたり)から小河内ダム(奥多摩湖)までの旧青梅街道。

奥多摩駅に行く途中、「数馬峡」に寄る。確かに渓谷を赤黄色の紅葉(少し見頃を過ぎた感じ)が縁取り、すばらしい景色を作り出している(写真左上マウスオーバー)。ただ、朝早いせいか、お日様は背の高い山々だけを明るく照らし、谷間の紅葉には日が当たっていないため、鮮やかさに欠けるのがちょっと残念。

奥多摩駅(写真左中央)の近くの氷川駐車場に駐車し、昭和橋を渡る。ここからの紅葉もすばらしい(写真左上)。ビジターセンター(写真左中央マウスオーバー)で詳しい地図をもらうい、「むかし道」の出発地点から歩き始めたのは9時50分ごろ。

民家の間の道を上っていき、羽黒三田神社までやってくると、昔「上げ荷の人々が苦労した坂」、羽黒坂を上る。小春日和のなか上り坂が続くと暑くなり上着を脱ぐ。植林地ではお日様が遮られるため急に涼しくなりまた上着を着る。

ところどころで目立つ鮮やかな紅葉に見惚れる。道が石畳となり、橋を渡ったところで、小河内ダム建設のための資材運搬を目的としたトロッコ線の跡が近くに見える(写真下)。

   
   

紅葉紅葉トロッコ線の跡

 

▲槐(さいかち)の休憩所〜いろは楓巨樹▼  
  
「上り荷・下り荷の人々の休み場としてにぎわった所」という説明書きのある槐(さいかち)の休憩所(写真右上マウスオーバー)に着く(10:20)。ここには、この土地の名称にゆかりのサイカチの古木がある。「槐」の漢字は当て字。秋には、そらまめのさやを平らにして長く伸ばしたような大きな豆果がなる。この豆果はサポニンを含み薬用、洗濯用に利用されたそうだ。葉は長楕円形の小葉からなる羽状複葉(写真右上)。

我々はここでは休憩をとらず、ゆるやかな下りをしばらく歩く。現れた集落に小さなサクラの木が一本。小さな木にいっぱいつけた花は満開(写真下)。よく見ると、この季節に咲くフユザクラのようだ。周囲が紅葉一色のなかで目立つ。

ところどころで青空のキャンパスに描かれた鮮やかな紅葉にうっとりしながらしばらく歩くと、不動の上滝(写真右中央マウスオーバー)にやってくる(10:50)。さらに進むと、台風の被害によっていまだ「車両通行止め」になっている場所に着く。歩行者は通行可能なので上っていくと、倒木がかなり見られる(写真下)。台風直後の被害はきっとひどかったにちがいない。

白髭神社を過ぎると、左手に変わった岩が現れる。これが「弁慶の腕ぬき岩」(11:15)。「高さ3mの自然石。下の方に腕が入るほどの穴があることから、旧道往来の人々に親しまれ、力の強い弁慶に付会されて誰言うことなく」こう呼ばれることになったそうだ。最近振袖状態で気になっているこの腕が入るかどうか心配だったが、難なく入り一安心。

少し歩くと左手に「いろは楓巨樹」(11:20)(写真右下)。「奥多摩の山々に自生する「山もみじ」の一種。この樹の紅葉は特にすぐれていて『名状すべがたい』といわれています」と説明書きがある。見頃少し前のようで緑の葉が残っているが、これが赤や黄色の葉と交じり合ってとてもいい味を出している。これにお日様の光が当たった光景は木がまさに燃えているように見える。これに感動して足を止める昔の人々が目に浮かぶ。

 

 


槐(さいかち)木(休憩所)

休憩所(不動の上滝)

いろは楓巨樹(クリックすると拡大されます)

   
   

フユザクラ

あざやかな赤黄葉(ダンコウバイ)
紅葉(ススキ)台風の被害(ピラカンサ)

弁慶の腕ぬき岩(穴)

日陰の谷間に柿と黄葉民家の軒にダイコン(紅葉)

 

 ▲しだくら吊橋〜奥多摩湖▼
  


道所(道所橋)



ランチ休憩場所のモミジ(上から見たところ)



小河内ダムの壁(ダム)

  この辺からは絶景の目白押し。やって来たのは惣岳(そうがく)渓谷を見下ろすことができる「しだくら吊橋」(11:43)(写真一番上マウスオーバー)。絶景を見たい強い気持ちが勝ち、揺れるつり橋に身を任せる。かなり揺れるが、それよりも紅葉と渓流が織り成す絶景(写真一番上)に夢中。

道のところどころで赤く燃えているモミジに感動しながら「馬の水のみ場」(写真下)にやって来た(12:00)。「ここで馬を休ませ、かいばを与えていた。馬方衆は茶店で一服休憩した」そうだ。他にも「がんどうの馬頭さま」、「縁結び地蔵」、「牛頭観音様」や「虫歯地蔵」(写真下)などが次々と現れる。この道がいかに昔の人々のくらしと結びついていたかがわかる。

今度は「道所橋」からも渓谷を見下ろす(12:07)(写真左上)。この後すぐモミジの絶景が現れる。向こう側の渓谷とモミジのコラボが織り成す光景は圧巻だ(写真下)。

そろそろお昼を食べようと思っていたら、向こうに格好の休憩場所(写真左中央)が見えてきた。すでに多くの人が赤く染まるモミジの木の下でお昼を食べている。モミジの下に座ると(12:20)、モミジの葉がお日様に透けてイルミネーションのように輝いて見える。思わず食べていたおにぎりを置いて、うっとり見惚れる。「おにぎりよりモミジ」。

この休憩(20分)後は少し急な上り坂が続く。ちょうど標識のところにわんこが一匹うろうろしている。どうやら迷子のようだ。この後ハイカーたちに混じって水根の方までついて来ることになる。途中、小河内ダム(奥多摩湖)の巨大な壁が現れる(12:52)(写真左下)。

上りきったら浅間神社を通り過ぎてなだらかな山道を歩く。まだまだ続く紅葉のトンネル。また少し上ると奥多摩湖を見下ろすことができる。「青目不動堂」を通り過ぎ(13:27)、民家の脇の細い石畳の道を歩く。この辺、道が細い(人一人の幅)せいか渋滞状態。広い道に下りてきたら、奥多摩方面に折り返し、水根沢を通り(13:40)、奥多摩湖に到着(13:53)。

この後、「水と緑のふれあい館」の前からバスに乗って奥多摩駅まで戻り、車で月夜見第一駐車場へ。ここからは奥多摩湖と周辺の山々が一望できる。遠くが少し霞んでいるが、日が落ちる前の赤く染まりかけの絶景を堪能できた(写真下パノラマ)。この時間帯奥多摩からかなり離れたこの駐車場に心なしか人が多いのは、やはりここが前日テレビに出たからにちがいない。

    
   
鮮やかなモミジ馬の水のみ場(虫歯地蔵)渓谷とモミジ
ここから上りですワン(紅葉)紅葉の道(山々)紅葉の向こうにダム(水根沢)
 
月夜見第一駐車場からの展望