ブナの木
 
斑尾高原赤池→袴湿原→袴岳山頂→炭焼小屋→赤池、沼の原湿原散策
年月日2009年8月9日
地域長野県
1135m (袴岳)
天気ほとんど雨
ひとこと雨で幻想的なブナの木、ガスで周囲が見えない
温泉まだらおの湯
 

 

歩いたコース ▲赤池から出発▼
  


斑尾高原の山の家とネジバナ(赤池)


緑がまぶしいトレイル


 

標高1000mの斑尾高原には総延長にすると約50kmものトレッキングトレイルが整備されている。まさにトレッキングパラダイス!またここは、4〜5日かけて長野県と新潟県の境にある関田山脈を縦走するという、日本で唯一のとても魅力的なロングトレイル「信越トレイル」(総延長80km)の出発地点でもある。

今回は長期休暇は無理だったので、斑尾高原に点在する湿原や、湖沼、そして3つの山頂を結ぶ斑尾高原トレッキングトレイルの一部を歩くことにした。さわやかな高原の風に吹かれながら気持ちいいトレッキングを期待して。。。

ところが当日は残念なことに雨。久々にカッパを着てのトレッキング。斑尾山へのトレイルは、ゲレンデなので林があまりないことから、袴岳方面を選択。雨がひどくならなければ、袴岳山頂まで歩き、雨がひどい場合は赤池周辺をトレッキングすることにして、とりあえず赤池(写真左上マウスオーバー)から出発(10:20)。

一面緑色の草や木々は雨に濡れて生き生きとしている(写真左下)。そこを歩く自分も生き生きとしてくる。その中に溶け込んで一体化してしまいそうだ。

いろんな草花や木々を観察しながら歩くこと20分ほどで、山頂に行くか、赤池の周りを歩くかの分かれ道にやってきた(10:40)が、雨はそれほど強く降っていなかったので山頂をめざして歩くことにした。

ブナやミズナラ、ホオノキなどの木々が多い中、カラマツ林では木の幹がすべて同じ方向に曲がっている(写真下)。なんと積もった雪に押されてこのようになったのだそうだ。想像しにくいが、ここでは雪が通常3m〜4mも積もるというから、ものすごく大きな力が加わるに違いない。

   
緑のトレイル雪に押されて曲がったカラマツの木(イチゴ)ミズナラ(ミズナラの葉の上に?)
虫が食べた後の葉っぱのアート(丸い葉)ホオノキもう紅葉!?

 

▲袴池、袴湿原〜袴岳▼  
  

袴池(写真右上)までやってきた。小さな池だが風情はある。袴岳に上るには、この後すぐ右に曲がるが、せっかくなのでこの先の袴湿原まで足を延ばすことにした。3,4分後に着いた小さな袴湿原(写真右上マウスオーバー)は今の季節、目立った花もなかったので、そのまま引き返し、袴岳山頂を目指して登り始めた(11:25)。

一時的に止んでいた雨がまた降ってきた。今度は本格的のようだ。ガスもひどくて遠くは真っ白。でもそのおかげで、白っぽい幹に「ろうと」のように広げた枝が美しいブナの木がたくさん残っているこの森はとっても幻想的(写真下)。水墨画のようにも見える。 幹がくねっているものや二股に分かれているものなど、ブナをはじめとする広葉樹の木々とガスが織り成すさまざまな景色を楽しむことができ、飽きることがない。

天に向かって広げている枝から雨が幹をつたって根元に集まり水を蓄えるブナの木。「ブナの大木1本は、水田1反歩(約1,000m3)の水を養う」と言われており、このようなブナの森は、自然の巨大ダムとなり、治水や水源を滋養することで山の自然と森の動物や人々の生活を守っているそうだ。このすばらしいブナの森がずっとずっと残りますように!

道標(写真右下)で山頂に着いたことがわかった。でも周囲はガスで真っ白。晴れていたら、この真っ白なところに妙高山が大きく見えるはずなのに。。。雨もかなり降っているし、展望が全くないので、すぐ下りることにした。

 

 
袴池(袴湿原)


袴岳山頂(山頂付近のブナの木)
幻想的なブナの森
   
   

 

 

▲袴岳下山と沼の原湿原散策▼
  


ガスで真っ白な林道(アジサイ)


ネジバナ・パラダイス


沼の原湿原

 

今度は柏ヶ峠方面に下りる(12:30)。ジグザグ道を降りていたら、10人ぐらいのグループがこの雨の中、山頂に向かっていた。そういえば今日は雨のせいか人が少なく、ほかには山頂の少し手前でランニングしながら上っていた男性3人組と会っただけだった。

全く止む気配のない雨の中をどんどん下りていき(といっても道が整備されていて下りやすい)、柏ヶ峠方面への道標のところで方向を変え(12:50)、さらに30分近く下りると林道に出た(13:15)。

5m先が見えないぐらいガスが立ち込めている(写真左上)が、足元にはピンク色のかわいらしいネジバナがいっぱい(写真左中央)!ネジバナは、ピンク色の小さな花が茎の周りをぐるぐるとねじれて何周もしている美しい花。きれいに何周もねじるのはネジバナにとっても難しいようで、きれいな形で4周ぐらいしているものは少ない。このネジバナ・パラダイスはしばらく続いた。一度にこれだけたくさんのネジバナに出会ったのは初めて!

14時にやっと出発地点の赤池に戻ってきた。皮肉なことに雨は止んだ、が、ガスはますますひどくなっていた。

今度は沼の原湿原の散策(15:00)(写真左下)。ここでもガスで湿原の全体像は全く見えない。ガスの向こうの黒くて大きなものが怪物のように見えて足がすくむが、ようく見ると木々。遠くの景色は忘れて、とりあえず足元の草花を楽しむ。

5〜6月には2万本ものミズバショウとリュウキンカが咲き誇るそうだ。その証拠にあちこちにお化けのように大きくなったミズバショウの葉っぱが目立つ。今の季節はシラヒゲソウ、サワギキョウ、オニユリ、オウバユリ、メタカラコウなどなど、いろんな花が咲き誇っている。写真を撮りながらゆっくり回ってちょうど1時間の散策だった。

この日は、斑尾高原のペンション『チロリアンハウス灯』(写真下)に宿泊。夕食に出た自家製の「チーズ豆腐」が美味だった。翌日は、懐かしい里山風景の残る飯山市の『かじか亭』で、名物そば「富倉そば」と、上杉謙信に献上したと言われる「笹寿司」(巣飯にゼンマイ、シイタケ、鬼グルミなどを乗せたは歴史を感じさせる素朴で味わい深い一品)(写真下)をいただいて帰路に着いた。

   
ガスのなかを下るネジバナ自然が作った素敵なアート(ギザギザ)
あれれ?葉っぱが宙に浮いている!?湿原のシラカンバ(木道)斑尾高原
   
 斑尾高原・戸隠・飯山 
宿泊した『チロリアンハウス灯』(お食事)大雨で鏡池が泥水に(戸隠神社)富倉そばと笹寿司(飯山市富倉地方)