柳沼

 
五色沼 毘沙門沼→赤沼→深泥沼→弁天沼→青沼→るり沼→柳沼
年月日 2010年11月06日
地域 裏磐梯(福島県)
N/A
天気 雨のち晴れ
ひとこと

神秘的な沼と紅葉、その他三湖パラダイスなど

温泉 ラビスパ裏磐梯
 

 

歩いたコース  ▲裏磐梯ビジターセンター〜深泥沼▼
  


ビジターセンター(向こうに展望台)


@毘沙門沼


A赤沼


B深泥沼

 

全国的に小春日和の土曜日。うきうき気分で裏磐梯方面に向かう。本当は見ごろだった先週(平年はもう少し早い)に行きたかったのだが台風がきたのでしょうがない。

福島県に入って、「猪苗代湖付近が雨のためスリップ注意」という標識を見たとき、自分の目を疑った。 雨から一番縁遠いような日に雨とは納得がいかない。標識が間違っているのかとも思ったが、確かに空には雲が広がってきたし、少しばかり暗くなってき た。

雨の中の新緑ならまだしも、雨の中の紅葉狩りなんて。。。目的地に着く前にがっかり。うきうき度は一気に120%からマイナスに落ちてしまった。 猪苗代湖までやってくると案の定雨。すでにお昼になっていたので、 とりあえずランチをゆっくり食べていたら、なんと雨はあがり次第に晴れてきた。

ラッキー!予定どおり五色沼へ。そのうち雲がどんどん取れてきて、まさに紅葉狩りに最高の天気になった。当地の人も午前中の予報が曇りだっただけに、雨には驚かされたらしい。

ビジターセンターに車を停めて、五色沼自然探勝路を歩き始める。少し歩くともう一つの駐車場。その向こうの展望台が真っ赤に燃えている。強烈な赤にびっくり。これが今年初めていきなり見たモミジの赤だからだろうか。いや東北の紅葉はやはり朝晩冷えるため特別鮮やかにちがいない。

その向こうには五色沼自然探勝路で一番大きな毘沙門沼@。赤と青のすばらしいコントラスト!本当ならここから磐梯山が見えるはずなのだが、まだ雲の中のようだ。でも沼に沿って歩く途中、沼の向こうに雲が取れたばかりの磐梯山が顔を見せた(写真下)。

やはり現在標高600mあたりが紅葉見ごろだということで、先ほどのモミジ類を除くと、標高800m前後の沼の周りの見頃は過ぎた感じがする(もともと周囲の紅葉は控えめだそうだが)。西側の展望台までやってくると、広い毘沙門沼が一番青く見えるようだ(下のパノラマ写真)。

しばらく歩くと、今度は右手に黄緑色の比較的小さな沼。この沼はA赤沼。五色沼湖沼群の中で最も酸性度が強くて、沼の周囲を見ると水中に沈む枯れた植物が鉄錆色に染まっていることから赤沼と呼ばれるようだが、少し道から離れているためか赤っぽい色は見えなかった。それより周囲が白い葦のような草に囲まれていて神秘的な感じがする。

次に現れたのはB深泥沼。不思議なことに、1つの沼なのに水面の色が違う。向こうの色は濃い群青色、真ん中は茶色、手前が濃い黄緑色。水質と生物層が異なり、水と水中の藻、沈殿物が複雑な色を織りなすそうだ。

すぐ先にまた小さな沼が現れたが標識によるとこれが竜沼(写真下)。道から少し離れていてしかも木々が茂っているので見えにくいが青い水面が少し見える。

   
   

赤いモミジに緑のツル 美しいもみじ鮮やかな紅葉
毘沙門沼から磐梯山を望む 毘沙門沼 毘沙門沼
竜沼(川) シダの緑とヒトツバカエデの黄色 道(ヒトツバカエデ)
 
毘沙門沼第二展望台

 

▲弁天沼〜柳沼▼  
  

少し進むと先ほどの雨のせいか川のように水が流れているところにやって来る。ベンチもあり、ここは休憩ポイントになっているようだ。ここから道は南方向に曲がってほんの少しだけ上りになる。道の両側は緑色のシダとヒトツバカエデ(写真上)の落葉の黄色がコントラストをなしていてきれいだ。

しばらくするとまた沼が見えてきた。どうやら大きなC弁天沼の端っこらしい。しばらく弁天沼に沿ってぐるりと歩くことになる。同じ沼だがその場所その場所で周囲と調和していろんな景色を見せてくれる。途中に立派な展望台がある。そこからは遠くは雪が少しかかった山々、その下に針葉樹、そして沼、という壮大な景色を楽しめる。大きな沼の周囲を白い葦が囲んでいる光景も美しい。

小さな川(というかせせらぎ)を渡るとDるり沼。道から少しはずれて奥に行くとよく見える。透明度の高さは五色沼屈指だそうだ。紅葉の赤と黄色、そしてまさに瑠璃色の沼のすばらしい景色をカメラに収めることができた。

今度は反対側にE青池。これまでの沼の中で恐らく一番小さい沼。残り少ない黄葉の木にお日様が当たり、それが青い水面でも黄色く輝いている。紅葉のピークの時期に見てみたかった。

しばらく歩くと、木々の向こうに何やら赤や黄色に輝いているのが見えてきた。その輝きに導かれてたどり着いたのが、最後の沼、F柳沼。特に明るく輝いているのは、どうやら紅葉した木々に日光が当たっているからだけではなく、それらが鏡に映したように本物と全く同じように沼にも映っているからだ。この沼の映り込みはすばらしい!

でもそれは柳沼の東の端の光景で序の口だった。柳沼に沿って木々の合間からちらちらと沼を見ながらしばらく歩くと、五色沼自然探勝路の最終地点が見えてきた。そこから振り返ると沼全体が奥の方まで見渡せるようになる(写真右下)。日の当たった紅葉が湖面にそのまま映り、それが長く帯状に奥まで続いている!紅葉の見ごろを少し過ぎた今でもこんなに感動的だということは、ピーク時はどんなにすばらしかったことだろう。最後のこの柳沼は沼自体の色よりも、そのすばらしい映り込みが感動的だった。

3.6kmの五色沼探勝路だったが、各沼の色は、エメラルドグリーンからパステルブルーや、赤っぽい色まで、どの沼も微妙に異なり五色どころではない。

1888年(明治21年)7月15日、磐梯山の水蒸気爆発によって生まれたこの五色沼が、なぜこのような神秘的な色に見えるかというと、「鉱物質を含んだ複数の水系の水が混ざり合うことによって生じたアロフェン粒子が水中に浮遊している。この粒子で太陽光が散乱し、沼が色づいて見える」だそうだ。

 
C弁天沼

Dるり沼

E青沼

F柳沼
     
弁天沼 弁天沼の西の端と紅葉 るり沼の手前の小さな川(るり沼へ)
青沼と紅葉 柳沼 柳沼の美しい映り込み
弁天沼
柳沼のすばらしい映り込み

 

  ▲桧原湖▼
  

桧原湖から磐梯山

 

柳沼のさらに道をはさんで向こうには、裏磐梯最大の湖、桧原湖がある。こちらも五色沼と同じく、磐梯山の噴火で川がせきとめられてできた湖。周囲40kmなので、次の日、車でぐるりとまわってみた。

桧原湖の周囲の木々は紅葉の見ごろがとっくに過ぎている様子だが、それでも、まだまだ鮮やかな木々が見られるところも多く、青空と青い湖によく映える。しかも湖から見える磐梯山はくっきり(写真左)。

カラマツの黄葉はまだまだ見ごろのようで、黄金色に輝いていた。

   
   
黄葉 向こうに磐梯山 ホウノキの葉っぱとモミジ
足跡の先から磐梯山が見える カラマツの黄葉などがまだ残っている  
紅葉がピークの頃はきっと綺麗だったんだろうな。。。
磐梯吾妻レークラインなど紅葉の美しいところがたくさん。(工事中)