マテバシイ林
 
烏場山
花嫁街道・花婿
コース
花の広場公園「花夢花夢」→花嫁街道入口→第一展望台→第二展望台→経文石→駒返し →見晴台→烏場山→旧烏場展望台→見晴台→金比羅山→黒滝→はなその広場→「花夢花夢」
年月日 2011年1月9日
地域千葉県
265m
天気晴れ
ひとこと 見事なマテバシイ林、すばらしい展望、黒滝
 

 

歩いたコース   ▲歩こう会ビジターセンター〜花嫁街道▼
  


「花夢花夢」センター(ポピーの花畑)


田んぼ道に入っていく(スイセン)


花嫁・花婿の分岐点(花嫁街道入口)

 

今年最初のハイキング。最近かなり冷え込んでいるので、こういうときは暖かい千葉県の低山に限る。今回は、今年の干支である卯とは関係なく、烏場山を中心とする花嫁花婿ハイキングコースをチョイス。

快晴でしかも寒さも一休みの連休の中日の今日は、のんびりゆっくり自然を楽しみながら歩けそうだ。烏場山自体は265mあまりの低山だが、このコースは里山も含めた5時間ぐらいと長めのコース。

駐車した花の広場公園「花夢花夢」(写真左)には、ポピーの花が一面に咲いていた。併設されている「和田浦歩こう会ビジターセンター」でコースマップをいただき、ハイキングスタート(9:20)。すぐに国道から田んぼ道の方に曲がるとのどかな里山風景(写真左中央)。 田んぼのあぜみちにはラッパスイセンの花が咲いている。

つきあたりを右に曲がり民家の中を歩くが、どの家も高い生け垣に囲まれている(写真下)。どれも丁寧に手入れされていて美しい。この地域は、海にも近く風が強いので防風林としてイヌマキ(この地域ではホソバと呼んでいる)という木を家の周りに植えている。これが防火(!?)の役割も果たしているというから驚きだ(後から調べるとマテバシイやスダジイなども防火樹のようだ)。

生け垣通りを通り抜け、個性的な居酒屋「うな陣」(写真下)のある道を歩く。「ハイクコース入口」とある道標で左に曲がると軽自動車一台ぐらいしか通れない細い道になり、線路を渡って花の温室を通り過ぎ道標を右に曲がる。角には菜の花とその向こうにスイセンの花、そして右側には家よりもずっと大きなフェニックスの木(写真下)。ソテツの木(写真下)もあちこちで見られる。温暖な気候の南房総ならではの光景!ここからどんどん山の方向に歩いていく。

二股に分かれている道では道標に従って左側の道を行く。さらに歩くとまた分岐点に出る。今度は左は花嫁、右は花婿の道標。花嫁・花婿の石像もある(写真左下)。ここは左の花嫁街道へ。ぐるりと回って花婿コースからここに戻ってくることになっている。すぐに花嫁街道入口と書かれた道標(写真左下マウスオーバー)から樹林の中に入っていく(10:00)。

   
「花夢花夢」のポピー(スイセン) イヌマキの垣根 イヌマキの垣根(鳥の足のよう)
うな陣(踏み切り) 菜の花とスイセン(フェニックス) 山のふもとにソテツが(ソテツの花と実)

 

▲第一展望台〜見晴台▼  
  

樹林の中を少しだけ急登。杉の長い足にツルが上の方まで巻き付いていて、まるで長い靴下を履いたよう(写真下)。道の片方が杉などの針葉樹林、もう一方が照葉樹林(写真右上)。通常の広葉樹であれば冬の今は葉を落として裸になっているはずだが、ここは常緑の木々が多い。

ところどころにマテバシイの木々が現れてくる。第一展望台はあまり展望がないため、そのまま歩いていくと、マテバシイの幹が斜面に沿って扇子の軸のように並んでいる見事な光景に見惚れる(写真下)。でもこれはまだ始まりにすぎなかった。。。

第二展望台までやってきた(10:40)。太平洋が眺められる。ここから見る山も常緑樹林が多いのだろう、真冬なのに青々としている(写真右中央マウスオーバー)。

この後すぐマテバシイの純林に入った。常緑樹とはいっても緑の葉っぱは太陽の当たる上部に茂っているだけなので、その下を歩いているハイカーの視界に入るのはその幹のみ。そのやわらか色をした何百本(?)も並ぶ幹が織り成す世界は見事(写真下)!

この後少し歩くと、シイの大木が岩を抱き込むように根を広げた経文石が現れる(10:50)(写真下)。昔の道はこの岩の下側を通っていたが、落石の危険もあり、今は上を通るようになったそうだ。

ブロッコリのような樹幹の様子がよくわかるシイの木を見つけた(写真下)。お日様に当たるように頑張ってたくさんの幹や枝を上まで広く伸ばしている。遠くからみると山がモコモコしたブロッコリの集まりのように見える。

駒返し(11:20)では、里見伝説の残る五十蔵口方面の分岐になっているが、そのまままっすぐ進んで見晴台(カヤ場)へ(11:35)(写真右下マウスオーバー)。烏場山山頂より広く、その名のとおり見晴しもいいので、この日だまりの草原でお昼を食べる。

 


針葉樹林と照葉樹林(マテバシイ林)

太平洋が眺められる第二展望台(常緑樹林)

マテバシイ林(見晴台)

   
靴下を履いた杉の木 見事なマテバシイの木 マテバシイの純林
マテバシイの純林 赤い実(アオキの実) ヤブコウジの実(ハナミョウガの実)
経文石 ブロッコリのようなシイの木 見晴台(杉の木の下にアオキ)

 

 

▲烏場山山頂〜花婿コース〜歩こうビジターセンター▼
  


烏場山山頂(花嫁さんの像)


タブの木のある花婿コースの見晴台


黒滝(はなその広場)

 

約30分お昼休憩した後、すぐに第三展望台。以前歩いた伊予ヶ岳と富山の上に富士山がかすかに見える(写真下)。ここからまたほんの少しで烏場山山頂(12:10)(写真左上)。花嫁街道だけあって、山頂にはかわいい花嫁さんの石像がある(写真左上マウスオーバー)。口と頬がほんのり赤い。誰かが塗ったのだろう。山頂からも富士山がかすかに見える。山頂は広くないので展望を楽しんだらすぐ下山。

帰りは花婿コースを通る。少し下って、アオキとその赤い実が目立つ道を歩く。今度はすばらしいスダジイの大木が(写真下)。マテバシイの幹が白っぽくてすべすべした感じに比べて、スダジイの幹は黒っぽくて縦に割れ目がある。広く枝を伸ばして、外側を見るとやはりブロッコリのようにもこもこと丸みがある樹幹をしている。途中なぜか真冬に紅葉したモミジの木が一本ひっそりと立っていた。

旧烏場展望台(12:35)からは先ほどの烏場山が見える(写真下)。杉の木とアオキのコラボ(写真下)が続く道を歩いていくと、大きなタブの木のある見晴台に着く(13:05)(写真左中央)。ここは周囲が開けているので展望もよく休憩にぴったり。ぽかぽか日だまりの中ここでコーヒータイム。

小さなマテバシイ林を過ぎて金比羅山(121m)に着く。その後急降下していき、指標どおり木の階段を下りていくと黒滝(写真左下)が現れる(13:45)。こんなところに滝があったのかと思うぐらい別世界。ひんやりしていて、聞こえるのは落差15mの滝の音だけ。比較的広いこの空間に、太い木の幹のようなツルが他の木々を巻きつけながら自由自在に絵を描いている(写真下マウスオーバー)。

この地は、赤穂浪士の一人片岡源五右衛門の家臣であった向西坊が後、出家して入定した場所でもある。

このまま水の流れに沿って進んでから地上に出ると、はなその広場に出る(13:55)(写真左下)。名前どおり広場だが、垣根の椿がいっぱい花をつけていて、とてもにぎやか(写真下)。奥の方には梅の花も咲いている。そのまま真っ直ぐ歩いていくと、朝、花嫁街道の方に進んだ分岐点に戻ってきた(14:10)。この後は往きと同じ道を歩き、15時にビジターセンターに着いた。

昔山間の集落から温暖な海辺の集落に嫁ぐ花嫁行列が通ったと伝えられていることから「花嫁街道」と呼ばれているこの道は、和田浦歩こう会によって整備が行き届いており、また見所がたくさんあり、晴れた冬の日にぴったりの充実したハイキングコースだった。

     
第三展望台から見える富士山  花婿コース(アオキの実がたくさん)  スダジイの大木(マテバシイ?)
今頃モミジの紅葉!? 旧烏場展望台(烏場山が見える)

杉とアオキ(黒滝の蔓)

椿 スイセン
もこもこした常緑広葉樹林が多い(下には養蜂箱が並んでいる)