今、尾瀬はちょうどニッコウキスゲの季節！この３連休に行かないと逃してしまう。それなら今回は尾瀬沼の方から燧ヶ岳に登ろうということになった。
それを３連休の真ん中の日曜日に組み込み、前後はゆっくり休む予定にしたら、結局１日のみの強行作戦となった。最近あまり山に登っていないので体力がついてくるか心配。。。

新潟県の銀山平に駐車して車中泊、翌朝、雪渓の残る山々と銀山湖（奥只見湖）が織り成す美しい景色（写真上）を眺めながら御池まで行き、そこからバスに乗って(20分ぐらい）沼山峠へ。途中にあるブナ平（写真上）は、あの世界遺産の白神山地のものよりもすばらしいブナ林だと、NPOのバスのガイドさんが言っていた。

ガイドさんは、尾瀬が抱えている最近の問題についても教えてくれた。１）鹿が非常に増えすぎて（戦場ヶ原で捕獲しているので尾瀬に逃げてくる）、花などを食べて困っている。２）東京電力が尾瀬の土地の約７割所有しているが、今回の原発事故で尾瀬を保護していくことは無理になる、などなど。今後このすばらしい尾瀬はどうなるのだろう。国有化でもしてちゃんと保護してもらいたいものだ。

沼山峠でバスを降り(9:15)、シラビソの林の中の木道をゆるやかに上っていく。ゴゼンタチバナ（写真下）とカラマツソウの花が目立つ。下りになると、沼山展望台があり、さらに下っていくと大江湿原に出た(9:50)。

目の前に広大な大江湿原が広がっている。やっぱりこの湿原を見るとまた大好きな尾瀬にやってきたことを実感する。しかし黄色い花（ニッコウキスゲ）は見えない。ワタスゲがところどころまだ残っている（写真右上）。バスのガイドさんが言っていたように鹿が全部食べてしまったのだろうか。それとも今年は当たり年ではないのだろうか。。。少しがっかりして歩いていたら、緑色一色だった視界の先が黄色に変わった。

がっかりが希望に変わり、足どりも自然と軽くなる。ニッコウキスゲがところどころに現れてくる。ワタスゲとのコラボも美しい。でももっと先はまっ黄色の絨毯！視界を占領する黄色の割合がどんどん大きくなる。

これほどの密度のニッコウキスゲは初めて！2006年7月末、至仏山に登った翌日ニッコウキスゲを見たが、少し見ごろが過ぎていた。今回は今がまさに見ごろ。特に尾瀬沼ビジターセンター近くの丁字路付近がすばらしい。

まずは尾瀬沼ビジターセンターまで行って(10:20)、湖岸で豆腐アイスクリームを食べた後、丁字路まで戻ってくる。黄色の絨毯と燧ヶ岳のコラボの景色は見事だ（写真一番上）。丁字路から湿原を横切り、樹林帯に入っていく(写真右下)。ちょっと上った(10:50)ところから大江湿原を見下ろすと、下のパノラマ写真のように黄色の絨毯がくっきりわかる。

木道を5分ほど歩くと燧新道分岐に着く(11:00)。つきあたりはワタスゲの咲く浅湖湿原。右の燧新道に入る。シラビソの林の中、なだらかな上りを歩く。ときおり下山してくる人たちに会う。もうすでに11時なのだから、下山してくる人がいてもちっともおかしくない。出発が遅すぎた。。。

下りてくる人ごとに、後どのくらいあるのか聞いてくる。こっちはまだ歩き始めたばかりで、向こうはゴールまで後少し。これから大変なのはこっちなのに。。。歩き始めておよそ１時間ちょっとで、左手に尾瀬沼が見下ろせるようになった（写真左上）。この後、もう一度尾瀬沼が見下ろせるところがある。

下山してくる人がどんどん多くなってくる中、それに逆らうように上り、最後の急斜面を這い上がると急に視界が開けた(13:10)。ここがミノブチ岳。進行方向には、頂上の俎�ｰ（まないたぐら）が見え（写真左下）、振り返ると尾瀬沼。今度はもっと広範囲のすばらしい展望（写真左下マウスオーバー）！

ここでお昼休憩をした後、最後のひと頑張りで頂上に上り、尾瀬御池の方に下りていく予定だったが、今日はこれ以上、上りにどうしても自信が持てない。目前に見える俎�ｰがとても大きく見え、それが自分に重くのしかかっている感じ。時間も時間でゆっくり休みながらというわけにもいかないので、勇気を出して、ここで断念。さらに3時間かけて、もと来た道を沼山峠バス停まで戻っていった。

下りは、こんなに歩いてきたのかな、と思うぐらい長い気がした。下山する人が後どのくらいなのか聞きたくなる気持ちがよくわかった。