陣場平の貝母の花

 

鞍骨山

妻女山松代招魂社駐車場→長坂峠→陣場平→天城山→鞍骨山→ほぼ元来た道
年月日 2019年4月27日
地域 長野
標高 798m
天気 晴れ
ひとこと めずらしい貝母の花、天空の山城
 

 

双葉サービスエリアからの富士山 光城山斜面を駆け上がる桜の回廊遊歩道桜並木(山頂の桜)
いろんな緑 国営アルプスあづみの公園の見ごろ前の菜の花畑
   
歩いたコース  ▲妻女山松代招魂社の駐車場〜長坂峠〜陣場平▼
  


登山口

桜の花びらの道

新緑と桜


 

ゴールデンウィークはキャンプと山登りのセット。結局今年も安くてきれいであまり寒くないという条件を全部カバーしている安曇野の「かじかの里公園」になった。

たまたまスプリング・エフェメラルのコバイモのことを調べていたら、同じバイモ属の貝母(バイモ)の花が咲く場所が長野市にあることがわかり、その花の群生地の近くの山、鞍骨山(くらぼねやま)に登ることに決定。

昨年より1週間ほど早めにやってきた「かじかの里公園」の桜の花はまだかなり残っている。数年前に桜が散った後に登った光城山の桜も上の方は登山道に沿って今満開になっているのが遠くからでもわかる(写真上)。今回は車で山頂まで上ってお花見をしたあと、次の日は長野市に移動して鞍骨山へ。

妻女山松代招魂社の駐車場に車を停める。隣に車を停めた地元のご夫婦が、車が多いので今日は何事かとびっくりしていた。あとからわかったのだが、我々と同様、貝母を見て鞍骨山を登る団体さんがいたのでその人たちの車だったようだ。

駐車場の奥にある登山口から広い林道を歩き始める(9:40)(写真左上)。広い道を桜の花びらが覆い、そして上を見ると桜の花が新緑の邪魔をしない程度に控えめに咲いている。

足元に目立つのはシロバナキケマン。ムラサキケマンやキケマンはよく見るが、ここではほぼ白いキケマン。中には真っ白なものもいる(写真下)。キケマンはウスバシロチョウの食草らしい。

そのほか、ウグイスカグラ、タチツボスミレ、クサボケなど春の山道はお花たちでにぎやかだ。でも今回は貝母(ばいも)を見るのが第一の目的。

長坂峠にやってくると左に曲がりしばらく歩く。

     

駐車場 道を桜の花びらが覆っている クサボケの群落
ムラサキケマンに近い シロバナキケマン(群落) アルビーノっぽいシロバナキケマン

 

▲陣場平〜天城山・坂山古墳へ▼   
  

木に「←陣場平」と書かれているところから、左に曲がってゆるやかに上っていくと開けた場所に出た(10:10)。この広くて平らな草地が陣場平。ここは「上杉謙信が斎場山の次に本陣を構え陣城を建てたといわれる」場所らしい。

ここが貝母の群生地ということだが、向こうにハイカーの団体さんたちがいて、なにやら説明を聞いているふう。近づいてみると、百合のような花をたくさん下向きにぶら下げた植物がその辺一帯を覆っている。まさに見ごろ状態。

花はベージュ系で決して華やかではないが、花の内側は編目模様(編笠百合とも呼ばれる)があり(写真下)、上部の細い葉っぱのようなものの先がくるっとカールしていてかわいらしい(写真右)。

団体さんが去ったあと、説明をしていた人がやってきた。貝母のことが載っている『信州の里山トレッキング』という本を手に持っていたら、なんとその方がその本の著者だった。地元の方で、この辺の管理をしているらしく、貝母のことなど、いろいろ説明をしてくれた。

ここは昔、薬草畑だったので貝母の群生地として残っているとのこと。貝母の茎はあまり強くなく、風が吹いたときは、カールの部分をお互いに絡め合って倒れないようにしているとのこと。などなどいろいろお勉強になった。地元の老夫婦のハイカーも加わってローカルな話からいろんな植物、虫や鳥などあまり聞かない固有名詞もたくさん飛び交い、1時間後ハイキング再開(11:10)。

陣場平を出て、天城山方面に歩いていく。途中で落ち葉の中に繭のようなものを見つけた(写真下)。ウスタビガの繭かと思ったが、色が黄色っぽいのと、形も下がとがっていないことから、これはヤママユガの繭とわかる。

平らな気持ちいい林道をしばらく歩くと、林道と登山道の分岐があり(11:25)、左側の登山道路へ。この後道は細くなるが、ほぼ平な道から時折、千曲市の街が見下ろせる。しばらく歩くと、天城山・坂山古墳と巻道の分岐までやってきた(11:40)。木の幹に書かれた「天城山・坂山古墳」の指標に従って進む。

 


陣場平(貝母も群生地)


可憐な貝母の花


桜の花(気持ちいい林道)

     
陣場平はここから左へ 花の中は網模様の貝母:編笠百合 貝母に小さな蜘蛛がいっぱいついている
ヤママユガの繭 千曲市街が見下ろせる(登山道) 天城山・坂山古墳への標識

 

 

天城山(坂山古墳)〜空堀〜鞍骨山山頂〜下山▼

  


坂山古墳(二本松峠)

空堀

鞍骨山山頂(北アルプス)

 

5分ほど上ると天城山山頂(坂山古墳)(694.6m)(写真左上)。ここは天城城址でもあり、古墳でもあるところ。盛り上がった石のようなものは壊された円墳の石室だそうだ。

このあと5分ほど針葉樹の中を歩くと、二本松峠(11:50)。すぐあとに「鞍骨城址まで850m」の標識がある(写真下)。針葉樹を抜けて、葉っぱを落とした広葉樹の中を上っていく。

急な階段の下りのあとすぐに急な階段の上ると、再び平な道になり、向こうに鞍骨山が見えてきた。鉄塔を過ぎ、再び小さな下りのあとすぐ上る。この小さな下りのあとの上りになっている凹んだ箇所は空堀だそうだ(写真左真ん中)。これを超えると城址になるということ。

枯れ葉の中にカタクリの花を発見(写真下)。ほとんどは花が終わって葉っぱだけが残っているが、3輪ほどまだ咲いている。

明るい尾根を歩いた後、ロープ付きの急登が始まる(12:15)。いったん平地(馬場跡)になり、回り込んで本郭へ。上に目を向けると鞍骨城の石垣が残っているのがわかる(写真下)。ここから最後の急登。足場の悪いところもあるが慎重に上って鞍骨山山頂に到着(写真左下)(12:25)。

山頂には「鞍骨山798m」の標識の横に「天空の山城 鞍骨城址」の標識もある。陣場平にいた団体さんがにぎやかにお昼を食べているところだった。

葉っぱを落とした木々の間から、北方向には長野市方面の展望がよく、北西方面には北アルプスも見える(写真左下マウスオーバー)。お昼を食べた後、団体さんが下りる前に下山(12:40)。

帰りは、坂山古墳(天城山)で巻道を歩き、陣場平には寄らず駐車場に戻ってきた(14:05)。

 

     
鞍骨城址まで850mの標識 鞍骨山が見えてきた ツルが描いた「あ」

カタクリの花

ロープある最後の急登 鞍骨城址の石垣の跡