巨木と滝

 


三頭山

都民の森駐車場→鞘口峠→三頭山山頂→ムシカリ峠→三頭大滝→都民の森駐車場
年月日 2020年8月9日
地域 奥多摩
標高 1524.5m
天気 晴れ
ひとこと 下界は猛暑でも森林の中はとても涼しい
 

 

歩いたコース  ▲都民の森駐車場〜鞘口峠▼
  


都民の森入り口

森林館方向へ階段を上る

鞘口峠


 

海の日周辺の休みは猛暑が続くので、普通なら山小屋宿泊で遠くのアルプスの山に出かけるところなのだが、今年はコロナ禍で山小屋宿泊は無理。その前に東京から出られない。日帰りで行ける比較的標高の高い東京の山ということで選んだのが三頭山。

三密になることを避けるために、そして暑さを避けるためにも、とにかく早く出発して早く山頂に上って早く下りてくることにして、朝6時ごろ出発。都民の森には7時半ごろに着いた。7時に開いたばかりの駐車場はまだ空きがかなりある。

最後に山に行ったのがコロナが流行る前の1月だったので、7カ月ぶりの山登りとなる。6月ごろ一度計画したが行けなくなり、長い梅雨が明けてこの日になった。こんなに長く山歩きを休んだのは今までなかった。

ずっとリモートワークだったこともあり、なまけた体が山頂までついてきてくれるのか、猛暑の中どこまで歩けるのか不安だ。とにかく何かあった場合は勇気ある撤退をすることにして、歩き始めた(8:05)。

調べてみると三頭山を歩くのは6年ぶり。しかも虫こぶを探して歩くことが多かったため、5〜6月ごろが多かった。8月は多分初めて。

最初の車道歩きで目についたのは、葉っぱの先が2つに割れたアジサイに似た花(写真下)。この季節に来ることがなかったので初めましてになる。あとで森林館の人に尋ねたところ、ギンバイソウだった。やはりアジサイの仲間らしい。この花は山の上の方にもあったのだが、鹿が食べたせいで、今では全く見られなくなったらしい。ここでも鹿の被害が相当出ているようだ。

このあたりでは、他にもタマアジサイ、ウバユリ、ギボウシなどの花が出迎えてくれた。少し歩くと、左側の階段を上っていき(写真左下)、森林館や木材工芸センターを通り過ぎて、登山道に入っていく。 しばらく歩いて鞘口峠に到着(8:35)(写真左下マウスオーバー)。

     

ギンバイソウ

タマアジサイ

ヤマユリ

 

▲鞘口峠〜見晴らし小屋〜三頭山山頂▼   
  

角にある休憩所で少し休んで、ここからは急登のブナの路を歩いていく。みずみずしいコアジサイの木々が並んでいる。花の前のつぼみかなと思ったがおそらく季節的に花はもう終わっているはず。標高1200mを超えて、さらに上っていく。

とにかく疲れないようにゆっくりゆっくり歩いているが、暑さは感じない。それもそのはず、歩き始めてからずっと、頭上は木々に覆われているからだ。結局、三頭山は最後までほぼずっと木々の下という快適な登山道だったのだ!

二股に分かれているところでは、必ず楽なブナの路を選んで歩いていくと、見晴らし小屋に到着(1397m)(9:25)(写真右真ん中)。周囲にテープが張ってあり入れないようになっていたが、コロナが原因というよりは、土台が朽ちてきているみたいで、建て直すようなことが書かれた張り紙が反対側に貼ってあった。

ここからはジグザグにどんどん下っていき、いわゆる登山道と合流したところから、また上りになる。以前は6月ごろ、このあたりのブナ林で、ブナにできる虫こぶをよく探していた。8月になるとどうなっているかというと色は少し変わるがまだ残っている(写真下)。

さらに上りが続くが、東峰には寄らず、西峰山頂への最後の急坂を上って山頂に到着(10:00)。

山頂に立つと、なんと木でできた昔の頂上の標識が、立派な石でできた頂上標に変わっていた(写真右下)。ネットで調べると2016年あたりに、雲取山など他の山も全く同じものに新調していることがわかった。東京都の主な山はこれに統一している(した)のだろうか。木のぬくもりが懐かしい。少し離れたところに相変わらず山梨県の頂上標が昔のままひっそりと立っていた。

あまり期待はしていなかったが、富士山方向はやはり真っ白。三頭山はこれまで何度か来たが、富士山が見えたためしがない。

木陰のベンチを選んでおにぎり休憩。涼しいが、やはり8月なので虫が多い。持ってきた虫よけスプレーと首掛け扇風機が役立った。頂上のブナの木にも角のような、ブナハツノフシかブナハタマフシだろうか、虫こぶがいっぱい残っていた(写真下)。

 


標高1200mから1300mの路


見晴らし小屋


山頂の指標が新しくなっていた

     
コアジサイの花は終わり 木の根っこだけが地面に! 8月のブナの虫こぶ(立派なブナの木)
山頂の木陰でおむすび休憩 山頂のブナの葉にも虫こぶが残っている 山頂から富士山はやはり見えな

イタヤカエデ黄葉の展覧会

 

 

三頭山山頂〜ムシカリ峠〜三頭大滝〜都民の森駐車場▼

  


ムシカリ峠(ムシカリの実)


美しい緑


涼しげな沢

 

山頂に人が増えてきたので、そろそろ下山(10:40)。以前もこんなに下っただろうかと思うぐらい長いジグザグ階段を下りてムシカリ峠に到着(写真左上)(10:55)。名前のとおり、ここにはムシカリ(オオカメノキ)の木があり、たくさんの赤い実をつけていた(写真下)。ほぼ白い花の季節しか来てなかったので、やはり違う季節にくるのもいいようだ。

ここからは沢とともに下っていく。マムシグサはトウモロコシのようにぎっしり詰まった実を形成しているが、真っ赤に熟すまでにはもう少し時間がかかりそうだ(写真下)。

三角の葉っぱにとても小さな白い花を一輪か二輪咲かせているこの花はミヤマタニソバ。ネットの「ブナ林の夏緑広葉樹林の谷筋など、水分の多い場所に生育する」という説明どおり。三角の葉っぱはめずらしいのでとても目立つが、さらにその葉っぱには八の字形の紋様がついていてとてもユニークだ(写真下)。

美しい緑の木々に涼しげな沢の音が加わり、さわやかな道をどんどん歩いていく。今年の梅雨は長くて雨も多かったためか、沢の水は多く、沢を渡るたびに体がリフレッシュされてとても気持がいい(写真左下)。

ブナの路テラスを過ぎて(11:55)、しばらく歩くと、ヤマホトトギスやタマガワホトトギスの花が登場!この花の美しさにはいつも感動するが、今日は一段と美しく見えるのは他にあまり目立った花がないからだろうか。よく見ると茎が途中までしかない野草が多い。これらは全部、鹿が食べたあとらしい。花が少ないのは恐らく鹿のせいにちがいない。

まだ夏だが、すでに落ち葉となった気の早い葉っぱもいる。イタヤカエデの落ち葉の模様はそのデザイン性も高いので、ついつい写真に収めてコレクションをしてしまうぐらいだ(上の写真)。

沢沿い歩きもようやく終わり、三頭大滝に到着(12:20)。一面いろんな広葉樹林の葉っぱで覆いつくされた崖を勢いよく滝の水が流れている(写真一番上と下)。

このあと、ウッドチップが敷き詰められた森林セラピーロードを歩いて森林館まで戻った(12:45)が、この路もいつもより長く感じられたのは、やはり久しぶりだったからだろうか。とにかく今回は途中で棄権することなく、最後まで歩けたことがうれしい。

     
ツツジ系の葉っぱに虫こぶか? 長い階段の下り(曲がったブナの木) ムシカリの実
マムシグサの実がひょっこり ミヤマタニソバの葉っぱと花と実 かえでの落ち葉
カツラの巨木(トチノキ) 三頭大滝(バッタ) ヤマシャクヤクの実