奈良倉山山頂からの見事な富士山

 

奈良倉山/
大マテイ山

松姫峠駐車場→奈良倉山→松姫峠駐車場→鶴根山→大マテイ山→鶴根山→松姫峠駐車場
年月日 2020年10月31日
地域 奥多摩
1349m (奈良倉山)、1409m (大マテイ山)
天気 快晴
ひとこと

快晴のなか、秀麗富嶽12景の富士と見事な紅葉を満喫

 

 

   
歩いたコース  ▲松姫峠駐車場〜奈良倉山山頂〜松姫峠駐車場▼
  


奈良倉山への道(唐松)


唐松と広葉樹(広葉樹林帯と針葉樹林帯)


黄金色に輝くブナ

 

たまたまもらった富士山絶景ハイキングコースのパンフレットで奈良倉山からすばらしい富士山が見えることを知った。しかも大マテイ山の方まで歩くと広範囲で紅葉が楽しめるという。

10月も終わりで空気も澄んできたなか、富士山と紅葉を最大限楽しめる一円玉天気(一円玉と同様、絶対崩れない天気のことをいうそうだ)の日がやってきた。

松姫峠の小さな駐車場に着いたのは8時少し前。4,5台しか入らない小さな駐車場はすでにいっぱいだったが、近くのスペースに駐車した。ここには男女別のきれいなトイレがあるのがうれしい。8時ごろハイキングスタート。

今回も松姫峠駐車場を起点に、奈良倉山の往復、そして今度は反対側の大マテイ山の往復という前回と同じパターンになるが、今回の方がもう少し距離を歩くことになる。

紅葉は見頃ではあるが、ピークにはもう一歩という感じの広いゆったりとした道を進んでいく(写真左上)。10分ぐらい歩くと突き当りとなり、黄葉した唐松が迎えてくれた(写真左上マウスオーバー)。そしてその唐松の木々の間から富士山がのぞいている(写真下)。

道は左に折れ、紅葉がひときわ目立つ一角で立ち止まる(写真左真ん中)。ハウチワカエデはまだ緑色から黄色に変わったばかりのようだが、きれいな赤に染まった葉っぱはヤマボウシだろうか(写真下)。ミズナラは黄色から琥珀色に変わっているところ。

左側が広葉樹林帯、右側が針葉樹林帯の道(写真左真ん中マウスオーバー)を過ぎて、奈良倉山への指標の方向に進むと、地面にブナの葉っぱが目立つようになった。空を見上げると琥珀色のブナの葉っぱが青空を背景に黄金色に輝いている(写真左下)。この色は黄色や赤の葉っぱがお日様に照らされても出せない独特の色だ!

ただ、この琥珀色は太陽のおかげでこう見えているだけで、ブナはすぐに褐色になりやすい(褐葉という)葉っぱらしく、なるほど落ち葉を見ると確かに鮮やかな黄色や赤ではなく褐色だ。でもこの色もいい味を出していて私は好きだ。

最後に少し上ると広場のようなところに出て、奥の方に奈良倉山の指標が見える。ここが奈良倉山の山頂(写真下)(8:45)。「富士山展望所」の指標が示すように、手前を右側に少し進むと、そこからはなんと、幾重もの山々の向こうに、その裾野が市街地まで延びた丸ごと富士山が見えた。絶景!

    

松姫峠駐車場(奈良倉山登山口) ホウノキの落ち葉がいっぱい 唐松の向こうに富士山

赤い葉っぱはヤマボウシか(ミズナラ)

左方向へ

ブナの落ち葉

青空に映える紅葉

モミジはこれから赤へ マユミの実
黄色から琥珀色に変わるブナの葉っぱ 山頂 市街地

 

▲駐車場〜大菩薩峠登山口〜鶴寝山〜巨樹のみち▼  
  

富士山を堪能したら下山(9:00)。ゆったりとした道を紅葉を楽しみながらゆっくりと駐車場まで戻ってきた(9:45)。今度は逆方向の「牛ノ寝 大菩薩峠登山口」と書かれた指標のある登山口に入っていく(写真右上)(9:55)。

この辺一体はずっと広葉樹林。紅葉見頃のピークに近づいたこの森は美しく輝いている。上を向けば、赤や黄色、琥珀色、そしてまだ色づく前の緑色の葉っぱが真っ青な空をキャンパスにしてさまざまな美しい模様を描いている。

上を向くたびにさまざまな模様が現れ、どれも美しいので、なかなか前に進まない。ようやく「二輪草コース」の標識が現れ(10:15)、それを右に分けて進んでいく。

肉眼ではなかなか見られない地上から離れた木々の葉っぱは、カメラのズームアップで見ると、カエデの葉っぱが赤く縁取られていたり、ホウノキの葉っぱが葉脈に沿って茶色になっていたりして、落ち葉では見られない模様がお日様のライティングによって美しく見える(写真下)。落ち葉も美しいが、やはりお日様の力には勝てない。

少し軽く上ると鶴寝山に到着(写真下)(10:40)。ここからも富士山が見える(写真右下から二番目)!全容が見えた奈良倉山に比べて、ここでの富士山は下部が手前の山にさえぎられているが、山から見える富士山はこれが普通。雲一つない空にくっきり富士山は申し分ない。また、クヌギ、ブナ、ミズナラなどの紅葉もまぶしい。富士山を見ながらベンチでおにぎり休憩をして20分後歩きを再開。

すぐに大マテイ山への標識が現れる。「日向みち」は戻りに通ることにして、大マテイ山手前で合流する「巨樹のみち」を行く。途中で「日向みち」がすぐ近くを通っているところがあるが、このあと離れていく。この道の名前のとおり巨樹が多い。

この尾根の道はとても広く、しかも道が落ち葉で覆われていてどこを歩けばいいのかよくわからない箇所もある。

ホウノキには悪いのだが、一旦落ち葉になってしまうと、鮮やかなあめ色が灰色っぽくなってしまうのは残念だ。乾いたその大きな葉っぱがその辺一帯を覆ってしまうとそこだけモノクロームの世界になってしまう。さらに、ゴワゴワと足にまとわりついて歩きにくい。

でも、ホウバを顔の横に持ってくると大きな耳になるし、葉っぱに目、鼻、口の穴を開けるとお面になるので、遊び心をくすぐる葉っぱでもある。

なんとか尾根をはずれないように歩いていくと、日向みちへの合流の指標が現れた(写真下)(11:20)。

 


牛ノ寝・大菩薩峠登山口

青空に描く美しい紅葉

鶴寝山からの富士山

●カラフルな紅葉

    ●をクリックすると拡大
ホオノキ ハウチワカエデ クヌギ

●ブナの紅葉

ミズナラ ハリギリ
鶴寝山山頂 巨木 日向みちへ合流

 

  ▲日向みち〜大マテイ山山頂〜鶴寝山〜駐車場▼
  


広葉樹に唐松が混じる


ジグザグ道を上りながら振り向く


大マテイ山山頂



ミズナラの巨木(ブナの巨木)

 

ここからは日向みち。自由自在にその幹や枝をくねらせた広葉樹の中に、点を突くかのようにまっすぐに伸びたカラマツの黄葉が混じっている(写真左上)。この後、南側からのお日様にライティングされたトラバースの道を歩く。

しばらく歩くと突き当りに指標が現れた(11:50)。そのまま左に進むと、大マテイ山山頂に上らずに大ダワに行ける。大マテイ山には指標に従って、ジグザグ道を上っていく。アップダウンの少ない今回のコースで数少ない上り。

このジグザグの上りの途中で振り返ると、凹型の斜面に紅葉の木々が太陽に輝いてまぶしい(写真左上から二番目)。上りつめるとまた広い尾根に出る。そこから5分弱で大マテイ山山頂に到着(写真左下から二番目)(12:00)。

紅葉に覆われたこの広い山頂には数人のハイカーが休憩している。富士山はというと、これまでに比べると上部少しだけしか見えないが、紅葉の向こうに見える。

ここでお昼休憩。今日はここが最終目的地なので、気持いいこの山頂でゆっくり休む。その後、引き続き大ダワ方面に歩いていくハイカーも多い中、下山開始(12:45)。

元来た尾根道を戻る。広い尾根道には指標やリボンがほとんどないので、間違えてそのまま尾根道をどんどん進んでいってしまいそうだ。実際、往きでジグザグ道を上ってきた箇所がわかりにくく、少し行き過ぎてしまったが、往きで見た、このあたりでは唯一のリボンを発見して一安心。

ジグザグ道を下りてしばらく歩いていると、後ろからマウンテンバイクが追い抜いていった(写真下)。大マテイ山ではなく大ダワからだと、ほとんどアップダウンがないので自転車でも全然問題ないかもしれない。

往きで通った「巨樹のみち」との合流地点(13:25)まで来ると、今度はそのまま「日向みち」を歩いて戻る。途中で巨木が現れた。その下にはベンチがある。他の木の葉っぱがかぶさっていて何の木かよくわからなかったが、地面にミズナラのドングリが多く落ちていたので、カメラのズームで木のてっぺん付近の葉っぱを見るとやはり、ミズナラの木だった(写真左下)。

さらに歩くと、赤くなりかけたハウチワカエデとは対照的に、その横に葉が全くない巨木が立っている。よく見ると幹には大きなキノコなどがいっぱい生えている。木の養分が全部吸い取られて葉っぱがないのか、それとも落葉しただけなのかわからない。

鶴寝山まで戻ってきた(14:10) 。富士山はまだフル営業中。ここのベンチでちょっと休憩して、元来た道を戻っていった(15:00駐車場到着)。

   

日向みち

大マテイ山へ 紅葉の向こうに富士山

カエデ(紅葉の道)

自転車が通り過ぎた トチノキ(ハウチワカエデ)

ミズナラのドングリ

ウリハダカエデ ウチワハカエデと巨木(キノコ)