山頂からの富士山

 
牛奥ノ鴈ヶ腹摺山・小金沢山 駐車場→パノラマ岩→立ち枯れ→牛ノ奥鴈ヶ腹摺山→小金沢山→牛ノ奥鴈ヶ腹摺山→元来た道→駐車場
年月日 2021年10月8日
地域 山梨県
標高 2014m(小金沢山)、1990m(牛ノ奥鴈ヶ腹摺山)
天気

晴れのち曇り

ひとこと カラマツ林、立ち枯れ、笹原、富士山
 

 

早朝、道中から見る山々に霧が立ち込めている 霧が少しずつ晴れてきて秋空が見えてきた
   
歩いたコース  ▲駐車場〜鹿よけ柵〜樹林帯▼
  
     


登山道入口(下からの合流地点)

駐車場からの展望

鹿よけ柵

お花畑(ニガナの群落)

 

緊急事態宣言が解除されたので、久々に他の県の山に行くことにした。今年は丑年なので年内に牛のつく山へということでこの山を選択 。

金曜日の朝早く談合坂SAを出発して霧が濃い中、目的地に向かった(前日の夜11時前に起こった東京で震度4〜5強の地震の時は高速道路上の車中にいて何も感じなかった)。

霧が立ち込めているということは今日は晴れ、という期待どおり、進行方向に青空が少しずつ現れ始めた。地上を這う霧とは対照的に、高い青空に広がる雲は秋らしい鱗雲(写真上)。

以前、「鴈ヶ腹摺ヶ山」には登ったことがある。そのときよく似た名前の「牛奥ノ鴈ヶ腹摺ヶ山」があることを知ったが、それからなんと20年後にこの日本一長い名前の山に登ることになった。紅葉には少し早いが行けるときに行かないと。

牛奥ノ鴈ヶ腹摺山はペンションすずらんから歩くと時間がかかるので、もっと楽に行ける方法を探した結果、ずっと上の日川林道に3台ぐらいおける小さな駐車場があることを知った。

実際、駐車場の標識などはないのでわかりにくいが、日川林道を車で上っていくと、左手に登山道入口の標識があり、少し手前の右手には下る人用の「県道バス停」という標識もある。ここが登山道と合流する駐車場だ(写真左一番上)(標高約1,600m)。ここから上ると、かなり時間を短縮できて山頂まで1時間あまり。駐車場の向こうの景色はすでにすばらしい(写真左上から2番目)。

登山道に入ると(8:35)、すぐに鹿よけ柵(写真下)。ロープがくくられているのでそれをほどいて開いて入ったらまたフェンスを締めてひもをくくって階段を上っていく。階段の周囲にはお花がいっぱい(写真左一番下と下)。

滑りやすい急坂を上りながら、途中で振り返るたびにパノラマがどんどん広がっていく。紅葉一歩手前だがカラマツ林などの景色がすばらしい(写真下パノラマ)。これがあと1〜2週間ぐらいもすればこの辺一帯がまぶしいぐらいに黄金色に黄葉するのだろう。

2回目の柵のドアが現れた(写真下)。この柵の向こうは樹林帯。残念ながら、このフェンス以降は鹿がいるので、実際このあと花を見ることはなかった。同じ甲州アルプスの大菩薩峠周辺の尾根道でも花がほとんどないように、この辺一帯は鹿がお花を全部食べてしまっているようだ。

花のことはあきらめて、山頂にたどり着いても富士山が営業中であることを祈って、樹林帯に入っていった(8:50)。

     

ペンションすずらん

林道との合流地点にある標識

鹿よけ柵1(反対側から)
ホタルブクロ(白い花) 大菩薩峠の稜線 鹿よけフェンス2
カラマツ黄葉一歩手前でもすばらしい展望

 

▲樹林帯〜パノラマ岩〜立ち枯れ〜牛奥ノ鴈ヶ腹摺山山頂▼   
  

ここからは広い樹林帯の中を上っていく。上りは幅が広いからか、前回の御前山ほどきつくはなく思われ、最初はサクサクと上っていく。

コメツガ、ウラジロモミ、カラマツなどの針葉樹林、そしてミズナラやカエデなどに加えてダケカンバ(樹皮がボロボロ)やシラカバなどの木々が目立つ。

ほとんどの葉っぱはまだ緑色だが、気の早いほんの一握りの木々が薄暗い樹林帯の一部を明るく照らしている(写真下)。足元にはレモン色のコシアブラやハリギリなど大きめの目立つ葉っぱが落ちている(写真下)。多くはないがカンバ、ウリハダカエデなども。でも本格的にはまだまだこれからだ。

かなり標高が上がってきたころ、右側に木々の間から富士山が見え始めた(写真下)。今日は富士山が営業中であることがわかり一安心だが、一体いつまで営業するのかわからないので、できるだけ早く稜線に出て富士山の全体像を見たいと思い、少し疲れが出てきたころだったが、気持的には走るように歩いた。

倒木や立ち枯れが多くなり頭上が一旦明るくなったので、そろそろ稜線かなと思ったがそれほど甘くはない。また木々で覆われた。その先に大きな岩が現れた。岩の横を通り過ぎて振り向くと「パノラマ岩」の標識(9:45)(写真右真ん中)。この岩の上に上れば丸ごと富士山が見えたかもしれないが、先を急ぎたいので帰りに上ることにした(結局、帰りは富士山は閉店)。

しばらくすると視野が開けて富士山がよく見え始めた。紅葉はまだまだだが、こんなくっきり富士山が見えたらもうそれだけで満足。さらに進むと何にも邪魔されない富士山(写真下)。富士山から延びた山々の景色も美しい(写真下パノラマ)。

やがて樹林帯から抜け、笹原に立ち枯れの木々が散在する景色に変わった(10:00)(写真右下)。北八ヶ岳の縞枯山を思い出す。斜面を緩やかに回るように上っていく。右手に富士山が見えていたかと思うと後ろになったりしながら上ること15分ぐらいで、牛ノ奥鴈ヶ腹摺山の山頂に到着(10:15)。

 


樹林帯を歩く(雑木林)


振り返るとパノラマ岩(進行方向)


立ち枯れ

     
ダケカンバ(気の早い木) ダケカンバの葉っぱ

カラマツ

葉っぱが突き刺さっている

コシアブラの葉っぱ

ハリギリの大きな葉っぱ
富士山が見える! 片隅に紅葉 くっきり富士山(立ち枯れからの富士山)
富士山から続く山並み:遠くは南アルプスまで見える

 

 

山頂〜小金沢山〜元来た道▼

  


山頂(標識に2行で書かれた山の名)


小金沢山へ(立ち枯れと紅葉)


小金沢山山頂(戻り)


上白川ダムが見える(遠くの鮮やかな紅葉)

 

山頂は広く開けていて所々にダケカンバやコメツガなどの木々。その真ん中に「牛奥ノ鴈ヶ腹摺山」の標識(写真左一番上)。やはり文字が長すぎるのか2行で表記されている(写真左上マウスオーバー)。さらにその下のローマ字表記はまるで呪文のような長さ。

ずっと見守ってきた富士山もまだ営業中(写真一番上)。ここからの富士山は、小金沢山とともに大月市の秀麗富嶽12景の2番目に選定されている。残念ながら、下の方に雲が湧いてきているのでまもなく閉店しそうだ。

ここから小金沢山へ(10:25)。空高い秋空、始まった紅葉、立ち枯れのコントラストの中、笹原のゆるやかな気持いい道を歩いていく(写真左上から2番目)。実をつるしたサラサドウダンの葉が真っ赤になっている。ハウチワカエデも太陽に近いところから赤くなってきている(写真下)。

しばらくすると樹林帯になり、今までとは対照的に薄暗い中、一帯が苔むしている。また笹原に出て振り返ると富士山はまだいたが、そのてっぺんが少し見えるだけになっていた(写真下)。

小さなアップダウンに、気持いい笹原歩きと樹林帯歩きを繰り返す。この間に反対方向からやってくるハイカーとすれ違ったのは3、4組。大菩薩峠方面からの縦走が人気なのだろう。ようやく小金沢山の山頂に到着(写真左上から3番目)(11:20)。

富士山はもうすっぽり雲の中。新しい標識の隣に味のある古い標識も立っている(写真下)。ここで日影に入ってお昼休憩。ゆっくり休んだら元来た道を戻る(12:10)。

笹原の緩やかな下りが多い道をサクサクと足早に歩き、牛奥ノ鴈ヶ腹摺山まで戻ってきた(12:55)。

山頂から立ち枯れの斜面へと下る途中、左手奥に黒岳が見えた。前回鴈ヶ腹摺山を登った時に登る予定だったが調子が良くなかったため断念した山だ。

右手には上白川ダムの全容が見える(写真左一番下)。「キン、キン」と鳴く声がすると思ったら、笹原の向こうに鹿が現れてあっという間に逃げていった。そういえば、物の見事に今回のコースに花は見なかった。

立ち枯れの笹原を過ぎて樹林帯に入った。こんなに急なところを登ってきたのかなと思うぐらい急な降下が続く。

帰り道では往きには気づかなった拳よりも大きなきのこを見つけた。熊の(?)爪痕がくっきり残る木も(写真下)。樹林帯を抜けたら朝よりは明るいカラマツ林が見えた。このあと、鹿よけ柵をくぐって駐車場に戻った(14:20)。

     
サラサドウダンの紅葉 ハウチワカエデの紅葉(秋空と紅葉) 笹原の緩やかな坂
富士山がそろそろ 苔むした樹林帯 キツネに見える?
小金沢山の古い標識(コシアブラ黄葉) ナナカマド(ウラジロモミ) 黒岳(左)が見える

オレンジ色の紅葉(コミネカエデ) 大きなキノコ 熊の爪痕!?