ガバルニ峡谷
 
ガバルニガバルニ村→ガバルニ峡谷→往きの逆
年月日2004年9月20日
地域フランスピレネー
谷(標高約1500m)から約1600mの高さのガバルニの壁を見上げる。
天気晴れ
ひとことユネスコの世界遺産、自然の円形劇場
 

 

  ▲ガバルニ村▼
  


川に沿った道を歩く(マウスオーバーで橋)


広くて平坦な道を歩く(馬に乗った女の子)


ろば(マウスオーバーでトイレ)

 

二日目の今日はガバルニ峡谷を見に行く。昨日のビニュマール峰は岩が垂直方向に割れたような光景だったが、それとは対照的に、今日のガバルニの壁は何層にもなっていて水平方向に特徴のある山だ。

基点のコトゥレからガバルニまで40kmある。時間にあまり余裕がないのでタクシーを利用することに。どんより曇りの天気で、果たしてガバルニの壁は我々の前に姿を現してくれるのだろうか。「上の方は晴れているよ」と言ってくれた宿のご主人の言葉を信じて出発。

呼んでもらったタクシーの運転手は昨日と同じ運転手だった。小さなコトゥレの町では運転手も多くて2,3人ぐらいなのかな。くねくねした山道をまるでカーレースのように速く走っていく。やっぱりレンタカーにしなくてよかったと思った。今日は、帰りのタクシーを午後2時に予約した。午後4時前にはトゥールーズめざしてルルド行きのバスに乗るからだ。

1時間後に着いたガバルニ村は、お土産屋やレストランなどが数件並ぶ小さな村だった。晴れていれば、すでにこの地点から進行方向にガバルニ峡谷が見えるはずだが、今朝はこの辺から山という山は何も見えない。

今日のコースは、広い一本道のお散歩コース。朝10時を過ぎているのに人はまばら。少し歩くと川に平行して両側に道がある。どちらの道を進むべきか...。とりあえず広い方の道を歩くことにする。結局、狭い方の道はあとから橋を渡って広い道に合流することになる。

道の両側にはあまり目立たないが、いろんなお花が咲いている。7月か8月に来ればこの辺一面がお花畑だったに違いない。たまに、馬に乗っている人にすれ違う。ガバルニ村では交通手段用のろばたち(写真左)が観光客を待っていたが、今日はまだろばの背中に乗っている人は見かけない。

 

▲「自然の円形劇場」が見えた!▼  
  

やがて、その地点からのガバルニ峡谷の景色が描かれたパネルを見つけるが、その先は雲(霧?)で真っ白。さらに先に進むと、なんとなく雲(霧?)が少し薄れてきたような気がする。雲(霧?)の向こうにガバルニ峡谷らしき山がうっすら見えてきた。これはいけるかもしれない。心が躍り始めた。

そのうち、雲(霧?)はまるで舞台の幕が開くように晴れていき、雲ひとつない青空の下、完璧なガバルニ峡谷の姿が現れた。やった!観客は見たがっているのにすぐ見せないで徐々に見せていく、この自然のにくい演出方法に感動もひとしお。

あのビクトル・ユゴーが「自然の円形劇場」と呼んだこのガバルニの岩壁は、ユネスコの世界遺産にも指定されている。
この「円形劇場」は、大きく三段の層から構成されている。シーズンの最初(7、8月)であれば各層に残雪があり、その景色は一段とすばらしい(残雪と岩が織り成す光景がまるでおいしそうな豚バラに見えたのは私だけか...)。高さ1676m、直径800m、谷部の周囲は3.5km、山頂の周囲は約14kmに達する。さらに左手に見える大きな滝は「グランドカスカード」と呼ばれ、ヨーロッパ一の高さ(422m)を誇る(写真下)。

ゆっくり散歩するように歩くこと1時間、この道の終点、シルク小屋(l'hotel du cirque写真下左)に到着。

 
晴れてきた!(マウスオーバーでくっきり青空)


滝が見えてきた
   

シルク小屋
左のパネルと照らし合わせて下の写真をご覧になって下さい。

左の滝の近くの山頂レポールが3073m、右側の山頂ラトゥールが3009mです。
標高約1500mの谷間から見上げるガバルニの壁は、エッフェル塔のなんと約5倍の高さです。
 

 

 

▲羊の放牧と帰り道▼
  


羊たちと犬 (クリックするとビデオが見られます)


人懐っこい黒羊(マウスオーバーで羊と羊飼い)

 

シルク小屋からガバルニの壁を眺めた後、さらに谷を歩き壁に近づいていく。
ひんやりとした谷間を歩く途中、羊たちの群れに会った。羊飼いが犬を使って羊の群れを移動させている。羊の首にはカランコロンと鳴る鐘が付いていて群れが動くとにぎやかだ。群れから離れて黒い羊が一匹、我々の方に近づいてきた。少し離れた場所からじっとこちらを見つめていた。

ガバルニの壁にさよならをして帰る道、何度もガバルニ峡谷を振り返った。ガバルニ村に戻ってもそこからよく見えた(写真下左)。近くにあるホテル・ビニュマール Hotel Vignemal(写真下中央)が人気あるのもよくわかる。窓からガバルニ峡谷が見えるからだ。
タクシーのお迎え2時までに少し時間があるので、お土産屋を見て、お昼を食べていると、約束時間の15分前にタクシーがお迎え。時間厳守が徹底している。
コトゥレへの帰り道、ナポレオン橋(写真下右)で写真が撮れるようにタクシーを止めてくれた。

 

   

ガバルニ村から見えるガバルニ峡谷

ホテル・ビニュマール

ナポレオン橋
 
ビニュマール/ガバルニのトレッキングで参考にした情報を載せました。
(ビニュマールのページからも行けます)
宿泊したコトゥレの町の写真や、トゥールーズ、カルカッソンヌ、パリの写真はこちらからどうぞ。
(ビニュマールのページからも行けます)