ビニュマール峰の北壁(クリックで拡大写真)
 
Vignemale(Oulettes de Gaube)駐車場→ポン・デスパーニュ →ゴーブ湖→Esplumouse滝→ウレット小屋→往きの逆
年月日2004年9月19日
地域Hautes-Pyrenees (フランスピレネー)
2151m (Vignemaleの山頂は3298m)
天気晴れ
ひとことビニュマールの迫力、かわいいマーモット
@〜H文中の番号は地図上の位置を示します
 

 

  ▲スペイン橋▼
  


ポン・デスパーニュ (スペイン橋)マウスオーバーで滝


最初の登山道 (赤と白の指標)マウスオーバで黄色の標識

 

パリ、トゥールーズ、ルルド経由で、今回のフランスピレネートレッキングの基点となるコトゥレの町に昨日の夕方到着。今日は2箇所の目的地のうちの一つ、ビニュマール峰の北壁を見にGRefuge des Oulettes de Gaube(以下「ウレット小屋」と呼ぶ)まで標高差約600mの道を歩く。コトゥレから登山口のPont d'Espagneポン・デスパーニュ:「スペイン橋」の意味)の駐車場までは約7km。駅から出ているシャトル便は8月末で終わってしまっていたのでタクシーで行く。 ついでにタクシーの運転手に午後4時に迎えに来てもらうようにお願いしておく(10:00)。(トレッキング時間を考慮したつもりだったのだが、もう少し遅い時間にお願いしておけばよかったと後で後悔することになる。)

@駐車場にあるインフォメーションの建物を通り、ロープウェイやリフト乗場(少し奥)を右手に歩き、最初の小さな橋の手前を左に行くと本格的な登山道に入る。が、その前に右手方向にあるAポン・デスパーニュを見ておく(写真左上)。さらに上に行くと何段にもなった滝(写真左上マウスオーバー)が現れる。リフレッシュして気を引き締めたところで登山道に入る(10:30)。(最初この登山道の入口がわからなくて少し戸惑った。)

ここからはもみの木や松の木の中を少しずつ登りながら進んでいく。急登はない。道しるべとなるのは、木の幹や大きな石に描かれた白と赤のライン(写真左)。たまに他の登山者に出会うがマイカーで来ているのだろう、時々立ち止まっては自然の観察にゆっくり時間をかけて歩いている。我々も時間を気にしながらも最初はいろんなものを珍しそうに観察しながらゆっくり歩いて行った。

 

▲ゴーブ湖▼  
  

約1時間後(11:30)、周囲が開けてくるとBLac de Gaube(ゴーブ湖:標高1725m、面積約20ha、深さ約40m)が現れた(写真右下)。その向こうには今日目前で見る予定のビニュマール峰が顔を覗かせている。透明度が高そうなこの湖は青空やビニュマールの山などをそのエメラルド色の水面に映し出している。マス、イワナ、サーモンなどの魚が住んでいるらしく、魚釣りをしている人もいる(写真下左マウスオーバー)。

ここまではゆっくり歩いても標識どおり1時間で到着できた。さて、ゴーブ湖にある標識には目的地のウレット小屋まであと1時間半と示されている(写真下中央)。これまでの1時間に対して、かなり遠くに見えるビニュマール峰の手前まで、本当に1時間半で行けるのだろうか、少々不安になる。

今度は湖のホテルを左側にして、湖の右側(西岸)の道を進む。この辺には珍しいお花がいっぱい咲いている。時間的にあまり余裕はないのだが、やはりどのお花もカメラに収めておきたい(お花畑参照)。

やがて湖を通り過ぎると急流を渡ってC(12:00)、川を右手に少しずつ上っていく。

 


もうすぐゴーブ湖

ゴーブ湖(マウスオーバーでビニュマール側からの湖)

   

エメラルド色のゴーブ湖 (マウスオーバで魚釣り)

標識 (ウレット小屋まで1時間半?)


ゴーブ湖をふり返る

 

 

▲ビニュマールを目指して...▼
  

Esplumouse滝の手前の谷間で牛(オーバーで牛拡大)

Esplumouse滝の上から振り返って

滝の上を過ぎてもうすぐ(?)

 

まだまだずっと向こうに見えるビニュマールを目指して、川と平行した道を進んでいく。登山道に牛の落し物が多くなり、それを避けながら歩いていると、谷間でのんびり日向ぼっこをしている牛たちが下方に見えてきた(写真左1番目)。牛たちのようにのんびりしたいところだが、時間がないので先に進む。進行方向にはEsplumouseの滝が見えている。

やがて、DEsplumouse滝を下方にして歩くようになり、ビニュマールが少しずつ近くに見えてくる。が、標識の時間でいけば、目的地のウレット小屋にあと30分ぐらいで到着するころなのに、実際の目的地はまだまだ遠い。

途中E橋の上で、ウレット小屋から戻ってくる男性とすれ違ったので、あとどのくらいかかるか聞いてみた。なんとまだ1時間かそれ以上かかるとのこと。標識によるとゴーブ湖からウレット小屋まで1時間半ということになっているのに、すでに1時間以上歩いた現地点で、実際はまだ1時間以上かかるということだ。おかしい。

出発地点のパーキングには4時に戻っていなければならないことを考えると、これでは目的地まで行けそうにない。とにかく、これからは少しでもウレット小屋に近づくよう頑張って歩くしかない。それからの15分から20分間は走るように歩いた。ほとんど平地状態だったのでかなり距離が進んだ。ビニュマールの壁がかなり大きくなった。お昼の時間も考えると、Fそろそろ(2050mあたり)ストップしないといけない。最初の目的地のウレット小屋はあきらめた。

垂直方向にバリバリと割れたような鋭い岩々がそそり立つビニュマール峰の北壁の迫力(写真一番上)は、少し離れたここにいても十分伝わってくる。なだらかな草原に腰をおろし(13:10)、心地よいお日様を浴びながら、お昼を食べて、写真を撮ったら、さっさと引き返す(13:30)。
4時までにあと2時間半。なんとか着くだろう。帰りはお花の写真も撮る必要がないのでさくさくと歩く。

下のパノラマ写真は、ビニュマール峰に最も近づいた地点での周囲360度の景色。あと30分〜40分あればGウレット小屋に着いていただろうし、もっと迫力あるビニュマールの壁の周囲が撮れていたのではないかと思うと残念。

   
▲ビニュマールの周囲の山々▼
   
 
 
  ▲帰りにマーモットに出会った!▼
  


マーモット(マウスオーバーでマーモット横向き)

リフトで急降下

 

 

急いでさくさく歩く帰り道、ガレ地から何かが飛び出した。「あっ!」これはもしかしてマーモット?こちらにお尻を向けてピョンピョンと向こうに遠ざかっていく。そして我々から十分距離をおいた岩の上にちょこんと座って、こちらをずっと見ている。肉眼では何かがいるという認識しかできなくらい小さくなってしまったが、デジカメの3倍ズームで写真をゲット!後からのお楽しみ、だったがやっぱり3倍ズームではこの程度(左の写真)。結局よく見えなかっだが、一つだけいえることは、マーモットのお尻は意外とまんまるだった、ということだ。マーモットの姿と口笛を吹くような鳴き声はこちらで確認してください。

ゴーブ湖まで戻ってきた(14:45)。トイレ休憩した後、ここからは往きとは違う簡単コースを選んだ。往きと同じ道をとって、もし間に合わなかったら運転手を待たせることになりかねないからだ。この道は15分も歩くとそこからはHリフトで降りるようになっている。かなり高いところからのリフトでの下りは少し怖かった。でもこれで時間をかなり節約することができ、駐車場には4時15分前に着いた。なんとタクシーの運転手も我々とほぼ同じ時間に到着!
運転手にトレッキング時間のことを尋ねると、ゴーブ湖からウレット小屋まで1時間半で行けるという答えが返ってきた。

このコースは実際、Rando(トレッキング)の本などを見ても5時間から5時間半のコースとして説明されている場合が多い。が、我々は、地図をよく見ても、このコースを5時間あまりで歩くには、自然の観察も休憩もせずに、ただひたすら歩き続けないと無理だという結論に達した。このコースを6時間と書いてあった、RandoのURL(infoのページ参照)を初めから信じていればよかった。
また、昔の『山と渓谷』に紹介されていたこのコースは、往き帰りの両方にリフトを使用して6時間となっていた。自然を楽しむ時間をたっぷり取っているのだろう。
帰りのタクシーの時間をもっと遅くしておけばよかった。。。

   
ビニュマール/ガバルニのトレッキングで参考にした情報を載せました。
(ガバルニのページからも行けます)
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