羅臼湖
 
羅臼湖
トレッキング

羅臼湖入口→一の沼→二の沼→三の沼→四の沼→五の沼→羅臼湖→元来た道

年月日 2012年8月5日
地域 知床

約750m

天気
ひとこと

雨で冠水した道を歩くアドベンチャー

 

 

歩いたコース  ▲羅臼湖入口〜一の沼〜二の沼〜三の沼▼
  


一の沼(二の沼)


三の沼


周囲はササとハイマツ



 

前日は晴れていたのに、今日は天気予報どおり雨。しかも本降り。知床ネイチャーオフィスの羅臼湖トレッキングツアーを予約しているので、向こうからキャンセルの連絡がない限り、行くしかない。

今回ツアーで歩くことを決めたのは、個人で行く場合は、トレッキングに要する3時間以外に、知床峠に駐車してそこから羅臼湖入口までの車道歩きが往復3時間も加わることと、やっぱりガイドさんの説明を聞きながらトレッキングできるから。

他にも、この羅臼湖ハイキングでは、ぬかるみが多いために長靴が勧められているが、このツアーでは長靴を貸してくれるし、大勢で歩くほうがクマが出ても怖くないから、など。

ホテルまで迎えにきてもらい、ネイチャーオフィスで長靴を借り、説明を受けた後、知床横断道路を知床峠よりもさらに羅臼方面に行ったところにある羅臼湖登山口までは車で送ってもらう。トレッキングツアー参加者は全員で6人。入口のところにある登山ポストでガイドさんに全員の登山届けをしてもらって出発(9:00)。

いきなり登山道から水が滝のように流れ出てきている。ガイドさんによると、これは最初だけだから心配しないようにとのことだった。笹とハイマツの中を進んでいく。その向こうの背景は真っ白で何も見えない。

まもなく一の沼(写真左上)に着くが道は相変わらず所々で冠水している。ガイドさんによると、夕べはかなりの大雨だったに違いないとのこと。確かに半分水につかっている植物も目にする。

少し上ったところに二の沼(写真左上マウスオーバー)がある。この沼は、この雨でこそ水が少し溜まっているが、そのうち枯れるのではないかと言われているそうだ。向こうの南側斜面には少し前まで雪が残っていたそうで(二の沼雪田)(写真下)、雪が解けた後小さな白い花(チングルマなど)がたくさん咲いているとのこと。ただ木道からは距離があるので何の花かまではわからない。ここでは北側は風が吹くので雪は飛ばされ、南側の方に雪が残るのだそうだ。

少しだけ上ったら、すぐ三の沼(写真左真ん中)(9:40)。この沼からは晴れていれば、水面に羅臼岳が映るそうだが、もちろん今日は何も見えない。湿原にはモウセンゴケやミズバショウの大きく成長した葉っぱが目立つ。そういえば、この辺も日光や尾瀬などと同様にシカの被害が多いらしく、ほとんどの花が食べられているようだ。でもさすがにミズバショウは食べないらしいが、花の根元を食べるクマがいるらしい。

     
 入口近くの道 ダケカンバ  ハイマツの雌花
二の沼雪田に小さな白い花 三の沼へと少し上る 冠水した道

 

▲三の沼〜四の沼▼   
  

途中でガイドさんが笹の花を見つけてくれた(写真下)。笹は稲科なので、稲のような花を咲かせる。笹は5年に一回ぐらい花を咲かせるが、花が咲いたら笹は枯れるそうだ。笹の花は今回初めて見た。

相変わらず水がいっぱい溜まった道の真ん中をなるべく歩くようにしているが(道をあえて避けて周囲を踏み出すと植生を破壊することになるので)、長靴のひざぎりぎりまで水が溜まっているところもある。我々が安心して歩けるようにガイドさんが道の水はけをよくしてくれたり、深さをチェックしながら先に歩いてくれているのだが、ガイドさんすら思わぬ深みに入ってこける事態も起こった。ガイドさんによると、ここまで道が冠水しているのは見たことがないとのことだ。

なんとか難関を通り抜けて、右側に沢を見ながら歩くようになる。この辺の道には水はない。その向こうには雪渓がある(写真右上)。8月になっても雪渓が残っているのはめずらしいそうだ。今年は寒い日が続いたからのようだ。沢の近くにはウコンウツギ、足元には、これまためずらしいアオノツガザクラをガイドさんが見つけてくれた。

今歩いている羅臼湖トレッキングの道は、来年からコースが変わるそうだ。広い湿原の中に横たわる木道の横には木道と平行して草が枯れて茶色くなった部分がずっと伸びている(写真下)。これは来年からの新しい道になるのだそうだ。

ということで、現在道の修復はほとんどしていないらしく、木道がかなり痛んでいるところもある。木道が壊れて深い水の中に隠れているような所は、ガイドさんが木を手で動かして橋のようにしてくれたおかげで、なんとか渡ることができた(写真右下)。

 


雪渓と沢


冠水した道で特に歩くのが大変な所の1つ

     
ミズバショウの葉っぱも半分水の中に 笹の花 ウコンウツギ
アオノツガザクラ 来年からこの茶色の箇所が道になる 枯れかけた笹

 

 

▲四の沼〜五の沼〜羅臼湖〜羅臼湖入口▼
  


四の沼


五の沼


羅臼湖に着いた


 

少し坂を上ると四の沼(写真左上)。四の沼はすぐ目の前に広がっていてカメラのフレームには収まりきらない。よく見ると、ミツワガシワの黄色い実が水の中から顔を出している。普段はこんなに水がないのだろう。

さらに少し歩くと五の沼(写真左真ん中)。足元には、ばかでかくなったミズバショウの葉っぱが目立つ。広い笹原の中の道を歩く。途中で小さな川を渡り、木道を歩く。いつの間にか周囲は笹ではない草原に変わっている。黄色のハンゴンソウの花は目に入るが、他の花はあまり目に付かない。雨で見にくいこともあるが、やはりシカの影響が大きいのだろう(ちなみに黄色い花は食べないらしい)。

木道と木道の間にタチギボウシの花が見つかった。シカにとっても見つけにくい箇所なので花が残ったのであろう。でももう一箇所で見つかったコバギボウシは茎から上がなかった(写真下)。

この広々とした湿原をまっすく進むと羅臼湖に着いた(写真一番上と左下)(11:05)。真ん前に聳える知西別岳は霧に覆われてほとんど見えない。見えるのは雪渓が残る山すそが少しだけ。ここで雨の中写真撮影などをした後、元来た道を戻る。

帰りは途中で雨が止んだが、今度は霧が立ち込めてきた。行きと同様、冠水した道には苦労するが、行きよりは慣れた足取りで順調に戻っていく。

一の沼付近で、ちょうど道にかかるように桜の木が一本。ついこの間まで花が咲いていたかのように今、実がついている(写真下)。この桜はミネザクラといって、6月中旬の雪解け後、ようやく枝を起こす桜で、開花は6月末から7月初めだという。開花が日本一遅い桜のひとつかも。

登山口まで戻ってきた(12:35)ころには、すっかり明るくなっていた。道路に出たらすぐ車でピックアップしてくれて、一旦ネイチャーオフィスに寄ってからホテルまで送ってくれた。

雨の中、深さもわからず、木道の木が中に潜んでいるかもわからない、冠水した道を歩くのはアドベンチャーたっぷりだっただけに、ガイドさんも言っていたが、このトレッキングはきっと記憶に残るにちがいない。景色を楽しめなかったのは残念だが。。。

     
ミツガシワの実(四の沼) 大きくなったミズバショウの葉っぱ タチギボウシの花(シカに食べられたあと)
一時は霧がこんなにも立ち込めた ナナカマドの木 ミネザクラの実

羅臼湖

  
知床めぐり(オロンコ岩、オシンコシンの滝、フレペの滝など)と釧路も。
(写真は一休屋の時鮭親子丼)
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